※いよてつ[郊外電車]+坊ちゃん列車+四国鉄道文化館訪問乗車記・その①からの続きです。
松山市駅に戻ってきました。当初の予定では、このまま帰るつもりだったのですが、時刻表を見たところちょうど「坊ちゃん列車」の時刻が近かったので、まあ、乗れるか乗れないかわからなかったのですがダメ元で市内電車の松山市駅で「坊ちゃん列車」を待つことにしました。
幸い、「坊ちゃん列車」の乗車口には1人しか待っておらず、難なく乗車することはできそうです(発車の10分くらい前には満席になりましたので、乗車をしたい方は少し早めに並んだほうが良さそうです。)。
さて、ここから乗車する「坊ちゃん列車」は、非電化・軽便鉄道時代の伊予鉄道に在籍していた蒸気機関車やその機関車が牽引していた客車のことで、夏目漱石の小説「坊つちゃん」の中で、軽便鉄道時代の伊予鉄道が「マッチ箱のような汽車」として登場しており、四国・松山の中学校に赴任する主人公の坊つちゃんがこれに乗ったことから「坊ちゃん列車」と呼ばれるようになったとのことです。ただ、現在では「坊ちゃん列車」と呼ばれているのは、2001年から伊予鉄道において復元運行された列車のことを言うようです。
この坊ちゃん列車、見た目は蒸気機関車が牽引しているように見えますが、実際の動力は蒸気ではなくディーゼル機関であり、蒸気機関車ならではのドラフト音は車外に設置してあるスピーカーによって鳴らす方式を採用、煙突からは水蒸気を使用したダミーの煙を出す発煙装置を採用するなどの工夫がなされています。
坊ちゃん列車は、機関車が客車をけん引していますので、到着駅では機関車の入換作業(機回し)が必要となりますが、スペースなどの関係で交換用の機関車やターンテーブルを設けることは難しいため、独特の方法で機回しを行っています。具体的には、機関車の下部に軌道モーターカーと同じ方向転換装置(油圧ジャッキ)が内蔵されており、入換時には客車を切り離した後でこの方向転換装置を動作して機関車全体を持ち上げ、人力で機関車を180度転回させてからジャッキを下ろして、人力で客車を機関車の後方に移動させてから再連結するという作業を行います。今回、私はこのシーンを目の前でしっかりと見てから乗車しました(松山市駅では狭い場所で行いますので、乗車の列に並んだ状態で見ることができます。)。
甲高い汽笛を発しながら松山市駅を発車した「坊ちゃん列車」は、意外と早いスビートで松山市内を走っていきます(そうしないと他の市内電車の邪魔になるからでしょうね…。)。街を行く人も珍しい列車が来たということで手を振ってくれますので、乗車している人もそれに応えながらの乗車が続きます。
市内電車に乗った時には「揺れが少なくて乗り心地が良いなぁ…」と感じたのですが、「坊ちゃん列車」の客車は2軸の車両と言うこととホイールベースが短いため、市内電車のような「なめらかな乗り心地」ではなく「荒れた乗り心地」ですが、まあ、そんなことに文句を言う人もおらず、ガタゴト・ギシギシと楽しい20分間の乗車で「坊ちゃん列車」は道後温泉駅に到着しました。
VIDEO:松山市駅に到着する「坊ちゃん列車
VIDEO:「坊ちゃん列車」機回しシーン
VIDEO:道後温泉駅に到着した「坊ちゃん列車」
「坊ちゃん列車」に乗車して道後温泉までやって来ました。ですが、特に道後温泉には用事はありませんので市内電車でJR松山駅に戻りました。
松山駅からは、特急[しおかぜ24号]のグリーン車で伊予西条駅に向かいました。
最新鋭の8600系のグリーン車ということで、可動式のピロー、読書灯、電動式のオットマンなども備えられており素晴らしい装備なんですが、なぜリクライングだけは手動なのでしょうか…?また、四国島内を走る特急車両のグリーン車は、2列-1列の配置になっているのですが、土讃線も予讃線も景色が良いのは2列側の席…というのが残念というか、何というべきか…ですね。
★四国鉄道文化館見学
特急[しおかぜ24号]を伊予西条駅で下車したのは、この駅に隣接されている「四国鉄道文化館」を見学したかったからです。この「四国鉄道文化館」は、伊予西条駅の東隣に位置する「鉄道歴史パークinSAIJO」を構成する施設で、駅の北側(北館)と南側(南館)の2か所にあります。入館時間が17時までということで、わずかな時間ではありましたが貴重な車両の見学をすることができました。
①北館の展示車両
北館には0件新幹線と私がどうしても見たかったDF50ディーゼル機関車のトップナンバーが保存されています(0系新幹線は1/3程度ですが…)。
➁十河信二記念館
北館に隣接されているのが「十河信二記念館」で、この十河信二さんという方はこの地方の出身で第4代の国鉄総裁として新幹線導入に尽力した…ということで、新幹線の無い四国に新幹線を展示している…ということのようです。
③南館の展示車両
駅を挟んで反対側に「南館」があり、こちらには屋外展示のフリーゲージトレインのほか、DE10、キハ65、C57が展示されているほかジオラマなどが展示されています。
あまり時間が無くてザクっとしか見ることができませんでしたが、逆に人が少なくて写真を撮るには最高でした。まあ、しばらくは四国にいると思いますので、また、機会があれば訪ねたいと思いますし、私が四国にいる間にぜひDF50が走るシーンを見たいなぁ…と思っています。
伊予西条駅からは後続の特急[しおかぜ24号]で宇多津駅まで移動しました。
今回は8000系のグリーン車に乗車しましたが、他のグリーン車同様、2列-1列のシート配置は同じなのですが、8600系や27000系は4列12席ですが、8000系は6列18席と、ちょっとグリーン車の座席数が多い車両となっていました。
※多度津駅からは特急[しまんと7号]を併結
本日の「乗り鉄」の最終ランナーは、朝と同じく2700系DCのグリーン車で高知に戻ったのですが、途中、繁藤駅の手前で赤信号による停車、同じく繁藤駅での赤信号での停車(原因については案内放送なし)があり、結局、高知駅には約10分程遅れての到着となりました。
当初予定したのは「いよてつ」の郊外線の乗車と四国鉄道文化館の見学だけだったのですが、時刻表を調べていくうちに『「坊ちゃん列車」にも乗れるかも…。』ということで、前日になって予定の変更を思い立ちました。
ただ、心配だったのは「坊ちゃん列車」に乗ることができるのか?ということだったのですが、「案ずるよりも産むが易し」の諺どおり、ちょっと早めに並べば十分乗車が可能でしたので、なんとか変更した予定で「乗り鉄」も見学もすることができました。
さあ、これで四国島内の列車等で乗っていないのは、「いよてつ」の市内線で平日しか運転されない「本町線」だけになりました。ただ、平日のみの運転ですので、果たしていつ乗車ができるのか…?
【乗車日:令和 2年11月22日(日)】

【乗車日:令和 2年11月22日(日)】

平成25年・冬の青春18キップ旅行記(H25.12.31~H26.1.2)③四国でDCの旅を満喫
コメント
コメント一覧 (2)
でもJR四国はなぜかディーゼルエレクトリックに回帰しませんね。DF50で経験豊富なはずですが……苦い思い出になってしまっているのか。2700系も山岳区間が多く伊予市/琴平以北は電化区間を走るので複合動力になってもよかったなあと。
tomodachiya221
が
しました
コメントをお寄せいただきありがとうございます。JR四国にはDLが1両だけですから、DF200のようなDLは不要ですが、ハイブリットディーゼル列車は欲しいですね。職場が高知駅に近いこともあり、1日中、ガラガラというエンジン音が響いていますので、やはり停車時にはエンジンが停止となるハイブリット車の導入をして欲しいです。
tomodachiya221
が
しました