「JR四国 予讃線・内子線+「いよてつ」乗車記(R2.11.14~15)その①」からの続きです。



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     PHOTO:宇和島駅で鉄道ホビートレインと並ぶ185系松山行き普通列車





         
         VIDEO:宇和島駅に入線する185系普通列車(628D)








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①宇和島(609)→松山(903) 628D 185系2連
 2日目の「乗り鉄」は宇和島駅を6時9分に発車する普通列車で松山駅を目指します。
 今回の「乗り鉄」に使用しているキップは、特急の自由席ならば四国島内の全列車に乗車できるのですが、今朝はあえて普通列車に乗車します。
 なぜかというと、この時間の列車には185系特急車両を改造した車両が充当されるからです。もっと言うと、今回の「乗り鉄」はこの列車に乗りたいがために組んだ行程と言っても過言ではありません。

 これから乗車する185系気動車(DC)は、日本国有鉄道が開発し1986年(昭和61年)から四国地区に投入した特急型気動車です。
 1987年(昭和62年)4月の国鉄民営分割化に際しては、全車がJR四国に引き継がれ、民営化後も継続して増備されました。

 ただ、185系DCは、それまでの四国島内の特急に使用されていた181系DCの置換え用ではなく、老朽化した急行型のキハ58・65系の代替車と位置付けられ、置き換えと同時に急行列車を特急に格上げし、民営化後のJR四国の経営基盤安定化を図る目的で開発されました(国鉄型特急車両としては初めてのステンレス車です。)。

 四国島内で長らく特急車輛として活躍を続けてきた185系DCですが、後継となる2000系DCの登場により、性能面で劣る185系DCは次第に第一線から退き、余剰となった車両の一部についてはJR九州に売却されました。
 また、2000系DCの仕様変更となるN2000系DCの登場以降は、さらに運用数を減らした一方、老朽化の激しいキハ58系を使用していた普通列車を置換えるため、在来の一般型気動車と併結が可能となるように改造工事を受けて普通列車仕様と改造されました(この時点で3000番台車となりました。)。

 外観は特急[剣山]色とよく似ていますが、濃紺色の帯が赤色に変更され、前面行先表示器を設置したほか、車内設備は特急列車運用への充当をしない前提で収納式テーブルや灰皿の撤去、座席カバーのビニール化、リクライニング機構の固定など、普通列車向けの簡略化・省力化の改造が行われています(トイレ設備が無いのがいただけませんね…)。
 その普通列車についても2020年3月のダイヤ改正で運用が減少し、現在では松山⇔宇和島間の1往復のみとなっているようです。

 ということで、185系3000番台車を使用する普通列車で松山駅を目指します(ちなみに…も私は先頭側の車両に乗車しましたが、卯之町駅まで(約30分間)は私の貸切でした(後部車両には数名ほど乗っていました。)。)。
 夜が明けきらない宇和島駅を定刻どおりに発車した松山行き普通列車は、おだやかな加速をしながら進んでいきます。身を預けるリクライニングシートは、特急時代の通常位置よりも若干立ち気味のポジションに固定されているため、そんなに「楽な姿勢」で乗車できるわけではありませんが、それでも静かな車内と乗り心地の良さは、さすが特急車両だな…と感じながら、ようやく夜が明けてきた車窓を眺めながら乗車を続けます。

 伊予岩城条駅では後続の特急列車を先行させるため約18分ほどの停車時間があります。この時間を使ってトイレ休憩と列車の撮影をします。

 八幡浜駅からは多くの乗客が乗ってくるかと思ったのですが、乗ってくる人よりも降りる人の方が多く、先頭車両は再び私1人の貸切車両となって八幡浜駅を発車していきます(伊予大洲駅まで貸切でした。)。

 伊予大洲駅を発車すると、昨日乗車した予讃線(愛ある伊予灘線)と分かれて内子線経由で松山駅を目指します。この内子線は、愛媛県大洲市の新谷駅から愛媛県喜多郡内子駅に至る路線で、かつては予讃線の五郎駅から分岐して内子駅に至る盲腸線でしたが、現在は予讃線の向井原駅-伊予大須駅の短絡ルートの一部に組み込まれたことから、特急列車を含む主要列車はこちらの路線を経由しています。

 昨日の乗車は、この予讃線(愛ある伊予灘線)がある意味ハイライトだったのですが、この内子線は内陸部を走るルートのため、残念ながら車窓はそれほど見ごたえするものではなく、淡々と市街地~山間地を進んでいくのですが、明らかに今までのおっとりとした走りではなく、意外と早い速度を維持して進んでいきます。それまでは途中駅からの乗客も少なかったのですが、やはり沿線に家などが多くなってきたことから乗車する人を多くなり、車内もようなくにぎやかになってきました。
 高架駅となっている内子駅を過ぎると、それまでの市街地から山間部へと入りいくつものトンネルを抜けながら進んでいきます。

 内子線内をかつての特急列車を彷彿させるような走りょを見せた松山行き普通列車は、向井原駅の手前で再び予讃線と合流して伊予市駅に到着しました。
 伊予市駅からは松山に向かう人と思われる乗客が大勢乗り込み、いっそう賑やかな車内となって松山駅に定刻どおり到着しました。
 なお、昨日の乗車及び今回の乗車により、予讃線と内子線の全線乗車が達成しました。



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      PHOTO:宇和島駅で鉄道ホビートレインと並ぶ185系松山行き普通列車






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           PHOTO:車体前面貫通扉に行先を表示します。






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             PHOTO:列車種別はサボで表示です。






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            PHOTO:185系3000番台車の車内






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      PHOTO:リクライニングはありませんが、ロングシートより快適です。






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           PHOTO:シート背後のテーブルもありません。






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              PHOTO:伊予石城駅に停車中…






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      PHOTO:双岩駅では[しまんトロッコ]専用牽引車・キハ54 4との交換






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           PHOTO:肱川を渡ると間もなく伊予大洲駅です。
 





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     PHOTO:伊予大洲駅ではもう1本の185系を使用する普通列車と交換します。






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      PHOTO:伊予大洲駅を発車すると間もなく予讃線と別れて進んでいきます。






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           PHOTO:しばらくは高架区間を走っていきます。







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            PHOTO:内子駅は高架駅となっています。






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           PHOTO:向井原駅の手前で予讃線と合流します。







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②松山(915)→丸亀(1126) 12M 特急[しおかぜ12号]+[いしづち12号] 8600系8連
 松山駅からは特急[しおかぜ12号]+[いしづち12号]に乗車して丸亀駅を目指しました。
 ここから乗車したのは8600系ということで、私、初めて8600系という特急車両に乗車しました。各席にコンセントはありますし、フットレストもあるのですが、シートのバックレストが高くて前方の視界がちょっと悪いのが気になりました…。

 さて、高知に戻るなら土讃線の乗換駅は多度津駅なのになぜ丸亀駅に…?そう、今日は私が応援しているサッカーチーム、「J3・AC長野パルセイロ」の試合が、ここ丸亀で行われるために丸亀にやってきたわけ…です。パルセイロの応援に行くのも、ほぼ、1年ぶりということで、丸亀駅で下車して応援に行ってきました。



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          PHOTO:8600系の車内・ピローが可動式です。






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           PHOTO:肘掛け部にコンセントがあります。






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             PHOTO:フットレストもあります。






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         PHOTO:バックレストが高いので前方の視界が悪いです。







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③丸亀(1545)→高知(1741) 45D 特急[南風15号] 2700系3連
 サッカーの試合の応援後、丸亀駅からは特急[南風15号]で高知駅に戻り、これで今回の「乗り鉄」も無事に終了しました(ホームの案内では4両編成と言っていたのに、到着したのは3両編成、しかも大混雑でした。)。



 なんとか当初予定をしていた「いよてつ」の市内電車と予讃線・内子線の乗車は終了することができました。ただ、「いよてつ」については、郊外線も残っていますし、平日しか運転されない路線や「坊ちゃん列車」にも乗車していませんので、また、いつか乗りにいかなくては…と思っています(「坊ちゃんミュージアム」を見るのも忘れていました。)。
 予讃線、特に松山から西は魅力的な路線ですね。この区間は、じっくりと[伊予灘ものがたり]に乗車してみたいと思っています。


【乗車日:令和 2年11月14日(土)~15日(日)】鉄道コム
【乗車日:令和 2年11月14日(土)~15日(日)】鉄道コム

 平成25年・冬の青春18キップ旅行記(H25.12.31~H26.1.2)③四国でDCの旅を満喫