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      PHOTO:奈半利駅に到着するオープンデッキ車両の[しんたろう2号]



 仕事の関係で10月から高知市の住人となりました。これからしばらくの間は、ここ、高知に住むことになりますので、じっくりと趣味の「乗り鉄」・「撮り鉄」を楽しむことにします。
 …で、昨日は市内を走る「とさでん」に乗車しましたが、今日は私が住む高知市から東に延びて走っている「土佐くろしお鉄道の「ごめん・なはり線」」に乗車しました。




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①高知(636)→後免(655) 218D 1000系2連
 本日の「乗り鉄」のトップバッターは、1000系DC2連を使用する土佐山田行きの普通列車で、土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線の乗換駅である後免駅を目指します。
 1000系DCへの乗車は(多分)、始めてではないと思いますが、シートレイアウトなどは独特の配置となっており、他エリアでは見ることができないタイプのDCです。
 高知駅を発車すると、いきなりエンジン全開で大きく左に弧を描きながらぐんぐんと速度を上げて進んでいきます。無骨なスタイルの1000系DCですが、加減速も良く、また、車内はクロスシートもトイレ設備もありますので、この列車で長時間乗ってみたくなりました


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         PHOTO:独特のシートレイアウトを持つ1000系DC





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          PHOTO:高知運転所を右手に見ながら進んでいきます。








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②後免(717)→安芸(757) 5858D
 後免駅では一度改札口を出でて、これから乗車する「ごめん・なはり線のフリーキップ」を購入してから、ホームへと入ります。
 列車はすでに後免駅の0番線ホームに入線をしています。初めて「土佐くろしお鉄道」の9640形に乗車しますが、さきほどのJR四国の1000系も独特なシート配置でしたが、こちらも半分が転換クロスート、残り半分がロングシートということで凝った作りとなっています(転換クロスシーとの背もたれ部が長いので、少々圧迫感を感じます。)。


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          PHOTO:独特なシート配置の9640形の車内





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          PHOTO:後免駅のキャラクター・ごめんえきお君


 今回乗車する「ごめん・なはり線」は「土佐くろしお鉄道」が運営する路線ですが、この土佐くろしお鉄道は、高知県で鉄道事業を行っている第三セクター方式の鉄道事業者で、国鉄再建法の施工により工事が凍結されてた日本鉄道建設公団建設線の宿毛線及び阿佐西線(阿佐線(ごめん・なはり線)として開業)を引き受けるために設立されたのですが、後になって第3次特定地方交通線に指定された中村線を引き受けることになったことから、現在ではこの中村線(窪川-中村)のほか、宿毛線(宿毛-中村)、阿佐線(後免-奈半利)の3路線を保有しています(中村線と宿毛線は「四万十くろしおライン」、阿佐線を「ごめん・なはり線」と呼ばれています。)。
 その「ごめん・なはり線」は、高知県南国氏の後免駅と安芸郡奈半利町の奈半利駅に至る鉄道路線で、正式な名称は「阿佐線」なのですが、現地での案内や時刻表などでは「ごめん・なはり線」という名称が使用されています。

 この路線は、大半が高架区間であり、太平洋沿いを走る区間が多いため景観が素晴らしく、観光目的で乗車する人も多いようです。
 ちなみに、「四万十くろしおライン」と「ごめん・なはり線」は約75km離れていることもあり、両線区を直通運転する定期列車は存在せず、車両の転属も行われていないようです(過去に直通の団体列車が走った経緯はあるようです。)。

 この「ごめん・なはり線」で使用されている車両は、土佐くろしお鉄道が所有する気動車9640形(クロシオ形)が使用されていますが、一部の列車についてはJR四国の1000系も乗り入れをしています。また、9640形のうち2両について「オープンデッキ車両」となっており、「やたろう号」と「しんたろう号」という名称で走っています。

 さて、後免駅を発車した列車は、発車後、すぐに土讃線と別れ、右方向に進路を変えつつ高架部へと駆け上がります。高架部を走行するので、もっと速度が出せるのではないかと思うのですが、意外と控えめな速度で列車は進んでいきます。この9640形ですが、車体の剛性が足りない感じで、エンジンの振動が床に伝わってきてしまい、足裏がつねんブルブルふと震えている感じで、正直、あまり乗り心地がよくありません。
 あかおか駅の手前辺りから、進行方向右手には太平洋が広がってきて、この路線が海岸線沿いを走っていることがわかります。その後も太平洋を見ながらの乗車続き、トンネルを抜けるとプロ野球チームの阪神タイガースが例年キャンプ地に選ぶ安芸駅に到着し、私もこの駅で下車しました。


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      PHOTO:後免駅を発車すると、すぐに土讃線と別れて進んでいきます。





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             PHOTO:物部川を渡って進んでいきます。





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           PHOTO:太平洋を見ながらの乗車が続きます。





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          PHOTO:安芸駅には車両基地も併設されています。





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        PHOTO:もう1両のオープンデッキ車両も置いてありました。





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         PHOTO:安芸駅にはお土産屋さんが併設されています。





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          PHOTO:安芸駅のキャラクター・あきうたこちゃん





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            PHOTO:久しぶりに鉄印を購入しました。







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③安芸(810)→後免(903) 5861D [やたろう1号]
 安芸駅では「鉄印」を購入後、「オープンデッキ車両」を使用する[やたろう1号]に乗車して後免駅に戻ります。私、「オープンデッキ車両」というのは、いわゆるトロッコ車両だと思っていたのですが、そうではなく、車内とオープンデッキが完全に区別されており、海側に設けられた通路に出れば風に当たることができ、車内にいれば風を感じることなく乗っていられるという車両でした。ただ、車内は当然ながらオープンデッキを設けた関係で、2人掛け転換クロスシートが1列で、通路には昔の寝台特急にあった補助席が設けられているというこれも不思議な座席配置となっていました。

 …なんですが、実はこの[やたろう1号]は、オープンデッキが解放されない車両であることが、車内に入って初めてわかり、ちょっと残念な乗車でした(だったら、列車名を表示せず、注意書きで「この列車にはオープンデッキ車両が使用されます。なお、オープンデッキは使用てきません。」と表示するべきではないでしょうか?)。


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             PHOTO:オープンデッキ車両の車内





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         PHOTO:転換クロスシートの反対側には補助席があります。





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          PHOTO:オープンデッキはこの部分だけとなっています。





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         PHOTO:乗降用ドアのガラスも丸形でとてもおしゃれです。





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              PHOTO:風を受けながら乗りたい!





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             PHOTO:ヤシの木が似合う車両ですね





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   PHOTO:後免駅到着後は後部にキハ1000系を増結して2両で高知駅に向かいます。







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④後免(943)→奈半利(1049) 5862D 9640形
 後免駅に戻ってきました。「ごめん・なはり線」の前線乗車を果たすため、この列車で終点の奈半利駅まで乗車しました。
 ここから乗車した車両は、朝と同じく「土佐くろしお鉄道」の9640形なのですが、なぜか車内はがロングシート車でした。
 安芸駅まで高架部を走ってきた「ごめん・なはり線」ですが、安芸駅を過ぎると地上部を走る形となり、久しぶりに警報機の音を聞きながら、そして青い空・青い海を見ながら奈半利駅まで乗車しました。なお、これで「土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線」の全線乗車が達成できました。


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        PHOTO:どうやらこの車両だけがロングシート仕様のようです。





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          PHOTO:ごめん・なはり線の有名撮影スポットですね。






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⑤奈半利(1206)→後免(1344) 5871D [しんたろう1号]
 奈半利駅でしばらく時間をすごした後、先ほど乗車した[やたろう号]のほかにもう1両あるオープンデッキ車両の[しんたろう1号]に乗車して後免駅に戻ります。

 午前中に乗車した[やたろう1号]では、オープンデッキが使用できませんでしたので、今回が初めてのオープンデッキの乗車ですが、いゃ、こりゃ楽しいですね。立ったままの乗車なので、ずっとオープンデッキというわけにはいきませんが、トンネルの中でもオープンデッキで楽しめます(物凄い風ですが…)ので、これは乗車してみる価値がありますね。

 オープンデッキ付きの車両ということで、速度を出すわけにいかないため、途中の安芸駅で長時間停車を行い、その間に高知行きの快速列車を先行させるというダイヤになっているため、私以外の乗客は全員、安芸駅で降りてしまいました。


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            PHOTO:奈半利駅はこのビルの3階です。




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        PHOTO:空の青と海の青の境目がないくらいいい天気でした。





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          PHOTO:安芸駅では約17分間の停車を行います。






VIDEO:
穴内→和食 オープンデッキの走行シーン





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      PHOTO:土佐くろしお鉄道にはJR四国の1000系も乗り入れます。






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⑥後免(1401)→高知(1419) 5835D 9640形
 後免駅からは、土佐くろしお鉄道の車両が高知駅まで乗り入れる列車で戻りました。




 こんな楽しい列車が、毎日、無料で走っているなんてちょっと信じられないくらい、「オープンデッキ車両」は楽しい列車でした。
 こんな楽しい車両が「土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線」だけしか走ってないなんて、ちょっと残念なくらいですね。


【乗車日:令和 2年10月11日(日)】鉄道コム