かつて長野電鉄の主力電車として活躍した3500系電車ですが、いよいよ最後の時を迎えてしまったようです。
しばらく運用から外れていた3500系ですが、2023年1月19日の引退を前に、最後のクリスマスプレゼント&お年玉ということでしょうか、12月24日(土)から定期運用に復活しましたので、地元に住んでいますので最後のお別れを…ということで長野→須坂駅の短い距離ですが乗車をしてきました。
長野駅を6時15分に発車する始発で信州中野駅に来ました。この列車が信州中野駅で接続する列車には3500系は入りませんので、信州中野駅の2・3番線ホームで湯田中駅から到着する3500系を撮影し、この列車が折返し湯田中行きとなる列車(信州中野駅発7時42分)に乗車します。
さて、今回乗車する長野電鉄3500系は、長野オリンピックを6年後に控えた1992年(平成4年)から1997年(平成9年)にかけて、普通列車の増発と老朽化した2500系(元東急の初代5000系)や長野電鉄オリジナル車両の0系「OSカー」などの在来者の置換え・車種統一を目的に導入された車両です。
なお、この3500系は帝都高速度交通営団(現在の東京メトロ)の日比谷線で使用されていた3000系を改造した車両で、長野電鉄では2両編成を3500系、3両編成を3600系と附番されて活躍していました。
導入された当初は、長野電鉄も「木島線」、「屋代線」が存在しており、3500系・3600系は長野電鉄の主力電車として活躍を続けてきましたが、2002年(平成14年)に木島線が、2012年(平成24年)に屋代線が廃止となり、また、より輸送力の大きい8500系(元東急8500系)が投入されたこともあり、徐々にその活躍の場が狭まるとともに編成数も減り続けてきました。
そして、2020年(令和2年)1月に、東京メトロから03系電車を譲受し、改造を施した3000系を導入することが決まり、今年までに計画であった3両編成5本の導入が進んだことから3500系の引退・廃車が決まってしまいました。
信州中野駅を発車した湯田中行き普通列車は、左手に旧木島線の線路跡を見ながら大きく右に向きを変え、しばらく進むと最初の停車駅である一本木駅に到着します。春先にはバラ祭りが開かれ多くの乗客で賑わうことの駅も、さすがにこの時期は閑散としています。一本木駅を発車すると今度は大きく左手に進行方向を変え、グランセローズの本拠地でもある市営中野球場沿いに進むと信濃竹原駅に到着します。この信濃竹原駅には信州中野⇔湯田中間では唯一列車交換設備があるため、ここで信州中野行きの3000系と交換を行います。
信濃竹原駅を発車すると、この長野電鉄では一番の撮影スポットである夜間瀬鉄橋を渡ります。朝早い時間ながら数名の鉄道ファンがカメラを構えていましたが、あいにく今日は雪降りということで、鉄橋のバックにある高社山は見えませんでした。夜間瀬川を渡ると夜間瀬駅に到着し、この夜間瀬駅を発車すると列車は一気に登り勾配区間へと入り、リンゴ畑の中の登り勾配を走り、途中、上条駅に停車をし、しばらく進むと湯田中・渋温泉の玄関口となる終点の湯田中駅に到着しました。
VIDEO:信州中野駅に到着する3500系
湯田中駅では到着した列車の撮影を行った後、折返し列車で信州中野駅に戻りました。
※おまけ
信州中野駅から長野駅に戻る途中、須坂駅に下車して留置されている3500系を見てきました。
PHOTO:こちらの3500系は、まだ、稼働しているような気がするのですが…
今日をもって3500系が引退…というわけではなく、この後、3500系は年が明けた1月19日まで走るようですし、どうやら団体列車やイベントなども予定されているようですが、私は年明け早々に単身赴任先である東京に戻らなくてはいけませんので、これが3500系への最後の乗車となります。
決して華やかな運用な大々的なスポットライトが当たる車両では無かったのかもしれませんが、その性能とユーティリティーの高さで長野電鉄の全線・全区間で使用され、まぎれもなく沿線住民の足として活躍をしてくれた「隠れたエース」ではなかったと思います。
長野電鉄から姿を消す…ということは、全国から姿を消す…ということになりますが、残された日々を多くの人に、そして静かに見送って欲しなぁ…と願っています。
※惜別・3500系
在りし日の3500系・3600系の姿をよろしければどうぞ…
PHOTO:須坂駅にて(2011.2.18)
※乗車日は12月30日(金)です。
【乗車日:令和 4年12月31日(土)】


