※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。一部写真が無い部分や誤字・誤変換等もありますが、よろしければご覧ください(by管理人)。




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     PHOTO:甲斐大和駅に停車中の中央線最長普通列車・441M



 国鉄時代には、全国の至るところでいわゆる「長距離普通列車(鈍行)」が走っていたのですが、会社が国鉄からJRに代わり、そのJRの同じ会社の中でも支社が誕生すると、列車が支社と支社の分割地点で折り返すようになり、いつの間にか長距離普通列車の姿がだんだんと減って行ってしまいました。
 私が住む長野県内を走る普通列車も、昔は新宿発松本行きとか長野行きという列車も過去にはあったのですが、現在では長野発大月行きという普通列車が最も長い区間を走る列車となってしまいました。
 ところが、今年のダイヤ改正によりそれまで2本の列車で運転されていた普通列車を、1本の車両で運用することになり高尾発長野行きという普通列車が誕生しました。
 走行距離で245km、乗車時間で4時間45分ということで、一気に乗車するにはちょっと気後れする列車ですが、ちょうど青春18キップのシーズンの期間中ということと、余っているお休みもいただくことができましたので、往路は私の好きな甘いものを途中下車をしながら集めて、復路はその甘味を楽しみながら高尾駅から長野駅まで一気にこの「長距離普通列車・441M」に乗車をしてきました。





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①長野(609)→松本(702) 1002M 特急[WVしなの2号] 383系8連
 今回の「乗り鉄」は青春18キップを使用するのですが、それだと途中下車できる駅が限定されてしまうことから、長野→松本間については特急[WVしなの2号]でワープをしました。
 最初から、こんな快適な列車に乗ってしまうと後が辛いのですが…。普段は通勤・通学客で混雑する特急[WVしなの2号]ですが、春休みの期間中ということもあるのでしょうか、行楽客と思われる乗客でだいぶ混雑をしました。



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  PHOTO:なかなか撮影することが難しい快速[おはようライナー]を松本駅で…







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②松本(712)→甲府(859) 428M 211系6連【N614編成】
 松本駅からは211系を使用する普通列車に乗り換えて甲府駅を目指します。特急[WVしなの2号]の車内から松本駅のホームに停まっている列車を見た時に6両編成だとわかりましたので、内心「ラッキー」と思って、松本駅の5番線に降りて行ったところ、6両編成には違いはないのですが、これがロングシート仕様の6両編成ということで、甲府駅まで約2時間、まさに修行タイムとなってしまいました(だからロングシート車って嫌いなんですよ…。) 
 松本駅が始発の列車ということもあり、なんなく座っていくことはできたのですが、ちょうど通勤・通学時間帯を走る列車ということもあり茅野駅を過ぎるころまでは混雑をしましたが、茅野から先はだいぶ車内も空き、ゆったりと乗車することができました。




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        PHOTO:八ヶ岳連峰を見ながら進んで行きます。






◆1つ目の甘味スイーツ▼
 甲府駅に到着しました。ここ甲府駅では次の列車に乗り継ぐ間に、ホームの売店で最初の甘味「信玄餅」を購入します。
 この「信玄餅」は、山梨県内では広く知られているの土産菓子で、風呂敷を模したビニールに包まれたポリ容器の中に、きな粉がまぶされたお餅が3個入っており、そのお餅に別容器に入った黒蜜をかけていただく…というものです。名前の由来は、甲斐の国の国主であった武田信玄と、当地のお盆には安倍川餅を仏前に備える…という習わしから来ているそうです。今回は6個入りを購入しましたので、1個だけ車内で食べて残りは家へのお土産としました。



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       PHOTO:こんな感じに包装をされて販売されています。






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         PHOTO:この黒蜜が美味しいんですよね…。







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③甲府(917)→笹子(959) 534M 211系6連【N322+N321編成】
 甲府駅からは後続の普通列車で笹子駅を目指します。
 甲府駅のホームには「高尾行は6両編成です。」というアナウンスがあったのですが、ホームにに入ってきた211系を見たところN322編成の札がかかっており「あれ?」と思ったところ、この列車は3両編成を2本繋いだ6両編成でした。ただ、3両編成ということは「また、ロングシート車か…」と思ったのですが、この列車、2編成ともセミクロスシート車ということと、平日の日中で乗客も少なかったのでボックス席にゆったりと座って信玄餅をいただきながら乗車をしました。
 


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 PHOTO:EF64が2両常駐しており、こんなシーンを見ることができました。






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     PHOTO:甲斐大和駅での停車時間を利用して編成写真の撮影を…





★2つ目の甘味スイーツ▼
 笹子駅に到着しました。
 ここの駅の脇にあるみどりやさんに行って、名物の笹子餅を購入します。
 この笹子餅ですが、その昔、笹子峠は甲州街道1の難所といわれ、その峠の茶屋で力餅として売られていたものが由来となっているようです。昔は列車内で笹子餅だけを販売する姿を見かけたのですが、今では特急列車のワゴンの中身の一つとなっているようです。久しぶりに笹子餅が食べたくなりましたので、途中下車して購入してきました。
 さて、この笹子餅ですが、見た目は写真のとおり真っ白なのですが、実際は草餅ということで、お餅を口に入れると蓬の香りが漂い、間違いなく草餅であることがわかります。中の餡子は私が大好きな粒あんということで、小ぶりなことをいいことに一気に5個も美味しくいただいてしまいました。



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         PHOTO:みどりやさんは笹子駅から徒歩1分






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        PHOTO:こんな化粧箱にお餅が10個入っています。






          PHOTO:見た目は真っ白なのですが…








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④笹子(1015)→高尾(1110) 536M 211系6連【N614編成】
 本当は笹子駅を1043分に発車する548Mに乗車する予定だったのですが、笹子餅を販売している「みどりや」さんが、駅から近かったため1本早い列車に乗車ることができました。
 ここからは211連6連を使用する列車で高尾駅に向かいます(ロングシート車でした…)。



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       PHOTO:笹子駅のホームではこんな素敵な写真が撮れます。








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⑤高尾(1118)→高尾山口(1121) 京王電鉄・各駅停車
 高尾駅に到着しました。ここからは本来の目的である「中央線最長普通列車」の乗車を行うのですが、その列車は高尾駅を14時2分に発車する列車ですので、それまでの時間を使って3つ目の甘味スイーツを購入しに行きます。
 ここからはJRではなく京王電鉄に乗車します(ちなみに、私、京王電鉄・初乗車になります。)。







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⑥清滝(1130)→高尾山(1136) 高尾登山電鉄
 京王の高尾山口駅を出て西に向かってしばらく歩くと、高尾登山電鉄の清滝駅に到着します。ここからはケーブルカーに乗車して高尾山駅を目指します。私、知らなかったのですが、ここのケーブルカーって日本一の急勾配を上がり下がるケーブルカーだったのですね…




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     PHOTO:頂上に向かう途中には、列車交換の場所がありました。






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            PHOTO:日本一の急勾配を示す看板





■3つ目の甘味スイーツ●
 高尾山登山の玄関口となる高尾山に到着しました。
 ここでは高尾山駅の「香住売店」で販売されている「天狗焼き」を購入します。
 こちらは昔から販売されているものではなく、観光客向けのお土産のようですが、シーズン時には100人以上のお客さんが列を作るくらい人気のあるスイーツ…ということなので、私もぜひ食べてみたくて高尾山までやってきた次第です。
 見た目は天狗の顔を形どった最中のようですが、口にするとまわりは「カリカリ」、中は「モチモチ」とした生地が香ばしく、中は甘さ控えめの黒豆あんがぎっしりと詰まっており、これは癖になりそうな感じでした。




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 PHOTO:天狗焼きはこんな感じです(1個で結構お腹がいっぱいになります。)。








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⑦高尾山(1200)→清滝(1206) 高尾登山電鉄
 本来なら、ここ高尾山駅から徒歩で高尾山の山頂を目指して…ということなのでしょうが、まあ、今回の目的は天狗焼きの購入ですので、現地のベンチで天狗焼きを食した後は下山します。








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⑧高尾山口(1222)→高尾(1225) 京王電鉄・特急
 高尾山口からは京王電鉄の特急列車でJR高尾駅に戻り、高尾駅近辺で昼食をとってから、いよいよ今回の「乗り鉄」のメインとなる「中央線最長普通列車」に乗るためJR高尾駅に入ります。









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⑨高尾(1408)→長野(1853) 441M 211系6連【N602編成】
 早めに駅に着いたのは良いのですが、問題は中央線最長普通列車・441Mは何両編成の211系が使用されるのか?ということが不安だったのですが、高尾駅の側線にはすでに「長野行き」の行先表示を出している6両のN602編成が停まっていましたので一安心です。

 長距離列車に乗る前の鉄則と言えば、なんといっても「食料と水」の確保…ということで、高尾駅の売店で飲料水を購入してから列車乗車口に並びます(食料はスイーツがいっぱいありますので…)。

 今日は篠ノ井線内で発生した人身事故の関係で、中央線の列車にも若干の遅れが生じていた関係で、中央線最長普通列車・441Mは13時55分頃になって高尾駅の4番線ホームに入線しました。N602編成はセミクロスシート仕様の車両ですが、長野まで1人で座っていけるわけがありませんので、今回はドア横の2人掛けシートに座って長野を目指すことにしました。



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     PHOTO:高尾駅の側線に停車中の中央線最長普通列車・441M






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   PHOTO:突如、EF64-37号機牽引のホキ臨が通過していきました。




 定刻時刻となりホームに発車のベルが鳴り響きも中央線最長普通列車・441Mは定刻どおり高尾駅を発車し、245km先の長野駅を目指して進んで行きます。
 道のりは長いのでそんなに慌てる必要もない…ということでしょうか、早速、次の相模湖駅では1回目の特急列車退避ということで、約5分ほど停車をします。後ろから迫ってきていた特急[かいじ109号]に進路を譲った後、中央線最長普通列車・441Mは、再び長野を目指して進んで行きます。

 この列車、鈍行とはいうものの、実際には相当足の速い列車で、高尾-長野間の245Kmの区間を4時間45分で走り切りますので、表定速度は51.6Km/Hにも達しますので、単線区間を走る特急列車並みの表定速度ということにもなります(飯田線の特急[WV伊那路]の表定速度は51.0Km/H程度です。)。

 足が速い証拠に、この中央線最長普通列車・441Mは、終着の長野までに特急列車に追い抜かれるのは、わずか2回のみとなっています(1回目は前述の相模湖駅で特急[かいじ109号]に、2回目は甲斐大和駅で特急[スーパーあずさ19号]に抜かれるだけです。)。

 その2回目の特急退避を甲斐大和駅で行った中央線最長普通列車・441Mは、甲斐大和駅を定刻どおり発車し、再び長野を目指して走り始めます。高尾駅では立客が出るほどの混雑だった車内も、大月駅をすぎでからはだいぶ空席も目立つようになってきましたが、塩山駅を過ぎたあたりからは、再び、乗客が増え始めました。

 甲府駅では多くの乗客が入れ替わり、再び賑やかさを取り戻した中央線最長普通列車・441Mですが、駅に停車するたびに乗客が少なくなっていき、小淵沢駅をすぎると再び閑散とした車内になってしまいました。ただ、この中には私同様、高尾駅から乗っている人の姿も多く、時刻表やカメラをっている人も多かったので、たぶん、私と同じ目的でこの列車に乗っている人もいるようです。



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     PHOTO:快調な速度で長野を目指す、中央線最長普通列車・441M



 中央線最長普通列車・441Mの車内が再び賑やかになってきたのは上諏訪駅からで、学校帰りと思われる高校生たちで車内は三度、賑やかくなりました。

 松本駅から一段と多くの乗客を乗せた中央線最長普通列車・441Mは、陽が沈みかけた篠ノ井線進んで行きます。
 姨捨の夜景を見ると、あとは長野駅に向かって一気に山を下っていけばいいのですが、篠ノ井線は単線区間ということもあり、姨捨駅と稲荷山駅の中間にある「桑ノ原信号所」で特急列車との交換を行うため、姨捨駅に続いてスイッチバックを行って待避線に入ります(2回連続でスイッチバックを行うことも、この列車の魅力につながるかもしれませんね。)。

 帰宅を急ぐ人には迷惑な特急退避ですが、私たち鉄道ファンにとってはまたとないチャンスですが、さすがに6時30分という時刻になると撮影も厳しく、列車内から特急[WVしなの号]が通り過ぎていくのを見るだけでした(陽の長い時間だと撮影できそうです。)。

 この後、中央線最長普通列車・441Mは稲荷山、篠ノ井、今井、川中島、安茂里と停車して、245km、4時間45分という長い距離と時間を走り切り、長野駅の5番線ホームに定刻どおりに到着しました。



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        PHOTO:姨捨の夜景を見ながらの乗車となります。






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     PHOTO:長野駅の5番線に到着した中央線最長普通列車・441M




 さすがに5時間近い乗車は厳しいかな…と思っていたのですが、意外とそうでもなく、日中の乗車ということもあり、過ぎ去る景色を見ているうちに時間が過ぎて行った…という感じでした。ただ、途中駅でホームに出て一休みできたのは甲斐大和駅のみ(相模湖駅では車内が混雑していたので、そのような雰囲気ではありませんでした。)ということで、その点ではちょっと不満がありました。通勤・通学の足としても利用される普通列車なので、さすがに頻繁な長時間停車は無理だとは思いますが、やはり長距離鈍行の旅を味わうためにも、1時間に1回程度は5分位の停車をして欲しい…と思いました。
 この列車、高尾→大月間と松本→明科間は混雑しますが、1度乗ってしまえば長野まで乗り換えが不要ですし、なによりも長野に19時前という早めの時間に到着するということで、私の「乗り鉄」では乗る回数が多くなりそうな列車かもしれません。


【乗車日:平成29年 3月23日(木)】鉄道コム鉄道コム