※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。一部写真が無い部分や誤字・誤変換等もありますが、よろしければご覧ください(by管理人)。


064




  中央本線の塩嶺トンネルの完成に伴い支線化した辰野⇔塩尻間(中央本線辰野支線)の輸送力適正化を目的として、1986年に国鉄長野工場(現在の長野総合車両センター)でクモニ143から改造された電車が、このクモハ123-1です。
 登場から27年、雨の日も雪の日もコトコトと走り続けてて来ましたが、ついに本年3月のダイヤ改正で引退が決まってしまいました。

 これから引退までの間に記念の列車等が走るかと思われますが、引退が近づくにつれて全国から多くの鉄道ファンが駆けつけ、ゆっくりと撮影も乗車もできないのでは…と思い、平日に休暇をいただいて乗車することにしました。
 特にこの列車はねぐらが松本車両センターということで、入出区を兼ねて松本⇔塩尻間を1往復していますので、松本に住んでいるという地の利を生かしてこちらにも乗車することにしました。



★PART.1(松本→辰野→塩尻)


003
①松本(654)→辰野(742)  152M
  クモハ123の一番列車は、松本車両センターから出区となります。松本駅に隣接している車両センターから6時40分頃に出区をしてきて、一度長野方面に進んでから松本駅の5番線に入線してきます。
 青春18キップの期間中のせいでしょうか、それとも早くもクモハ123の引退フィーバーが始まっているのかどうかは分かりませんが、クモハ123を目当てに写真を撮っている人や乗車する人の姿も目立ちます。

 列車はローングシートが2~3割程度埋まった状態で松本駅を発車します。塩尻までの間は特急列車の邪魔にならないようコトコトではなく全力疾走といった感じで走っていきます。
 途中の村井駅からは多くの乗客が乗り込み、車内もだいぶ賑やかになったものの、乗客の多くは塩尻駅で下車をしてしまいます。

 この塩尻駅では12分ほど停車をします。塩尻から先は乗客も少ないだろうな…と思っていたのですが、発車時間が近づくに連れて乗客が結構増えてきます。
 結局4~5割程度の乗客を乗せて塩尻駅を発車しました。列車は塩尻駅を発車すると車体をぎしぎしときしませながら大きく左に進路を変えて旧塩尻駅を進んでいきます。その後、中央東線を左手に見ながら辰野支線に入っていきます。

 辰野支線の別名ともなっている「大八回り」を過ぎると塩嶺峠の分水嶺を越えますので、ここから列車は一気に速度を上げて峠を下っていきます。

 辰野支線で最初の停車駅となる小野駅では高校生が大勢乗り込んできて車内も賑やかとなります。信濃川島では乗降客がいないと思っていたところ、ここでも高校生が乗り込んできて車内は乗車率がほぼ100%となり、賑やかな話声の中、列車は定刻どおり辰野駅に到着しました。



002
       PHOTO:松本車両センターから出庫するクモハ123






006
       PHOTO:中央東線を左に見ながら辰野支線に入ります。






009
           PHOTO:クモハ123の運転台






007
       PHOTO:改造の履歴の多さがクモハ123の勲章です。








008
②辰野(749)→塩尻(810)  153M
 辰野駅からは折り返し列車で塩尻駅に戻ります。
 誰も乗らないだろう…なんて思っていたところ、高校生を中心にどっと乗り込んできます。そして飯田線からの列車が到着するとこの列車からの乗換客も多く、車内はあっという間に賑やかな状態となってしまいました。

 途中の信濃川島駅からは乗車する人はいませんでしたが、小野駅からの乗客が多く車内は100%以上の乗車率で塩尻駅に到着しました。
 この列車、昼間はあまり乗車しているところを見ないのですが、朝の利用率は結構良いことがわかりました。
 塩尻駅に到着後は、クモハ123-1の惜別乗車を一度中断して[セントラルライナー]の惜別乗車に向かいます。





★PART.2(塩尻→辰野→塩尻→松本)


068

①塩尻(2006)→辰野(2026)  168M
 最後に塩尻⇔辰野間をもう1往復します。
  中央西線の列車からの乗継時間が4分しかなかったのですが、なんなく乗り換えることができました。ただ、車内は仕事帰り・学校帰りの方で意外と混雑をしていました。
 途中の小野駅で約半数の乗客を、信濃川島駅でも1人降ろした後、淡々と進んで生きます。
 列車は約20名ほどの乗客を乗せて夜の辰野駅に到着しました。



066
             PHOTO:本当に長いロングシート






070
           PHOTO:運転室の後方はこんな感じです。






073
②辰野(2048)→塩尻(2109) 171M
 辰野駅では折り返し時間を利用して車内の写真などを撮ります。
 やはり引退のフィーバーは始まっているようで、写真を撮る人ばかりではなく、音を録音したり、クモハ123の絵を書く人などがいましたので、これから3月に向けて一台騒動が始まりそうな予感がしました。
 辰野駅から塩尻駅に向かう最終列車ということで、少しは混雑するのかな?と思っていたのですが、乗客は10名にも満たないまま塩尻駅に到着しました。







081
③塩尻(2148)→松本(2204) 1233M
 この列車、塩尻駅からは松本行きの普通列車となるのですが、列車番号が変わることでもわかるとおり、この列車は違う列車となるため塩尻駅では一度下車をしなくてはなりません。

 松本行きの普通列車が発車したあと、9時35分過ぎに客扱いが開始となります。そして、この1233Mこそが塩尻→松本間を走るクモハ123単行列車なのです。

 20分ほど前に松本行きの普通列車が発車しているせいでしょうか、乗客がえらく少ないな…と思っていたのですが、特急[あずさ]が塩尻駅に到着すると乗り換え客がどっと押し寄せ、あっという間にクモハ123は満員となり塩尻駅を発車します。
 このあと途中駅に停車する都度乗客は減っていき、松本まで乗りとおした乗客は20名程度でした。



075
    PHOTO:行先表示「松本」を見ることができるのはこの列車だけです。






079
     PHOTO:車体の外側にも改造履歴がびっしりと表示されています。






076
          PHOTO:斜めのストライプもおしゃれです。






077
     PHOTO:この車体番号を見ることができるのもあと2か月足らず…






088
     PHOTO:松本駅到着後は、すぐさま車庫に入区してしまいました。



 今年の3月のダイヤ改正では引退する車両が目白押しのため、ちょっと早めの「惜別乗車」となってしまいました。…とはいっても地元を走っている車両ですし、たぶん「さよならクモハ123」なんてさよなら運転も何回かは行ってくれると思いますので、これが最後の乗車ではないと思うのですが…。

 ただ、今回乗車して感じたのは『クモハ123の引退はやむを得ないか…』と思ったことも事実でした。
 なぜかというと『この列車はとても寒い!』のです。と塩尻駅を発車する時点では20℃以上あった車内が、走るに連れて温度が下がっていき、辰野駅に到着するときには15.8℃まで下がってしまいました。これは、半自動ドアが上手く閉まらないことと、やはり窓ガラスの隙間から冷たい風が入ってきてしまうことが原因のようです。そのため乗車していた高校生たちも「寒い寒い」を連発していましたから、乗客へのサービス向上という観点からすればクモハ123の引退もやむなし…と言ったところでしょうか…。


【乗車日:平成25年1月9日(水)】鉄道コム鉄道コム


◎過去のクモハ123の乗車記はこちらを…
 ・クモハ123-1乗車記(H19.9.8)…http://tomodachiya0221.at.webry.info/201206/article_123.html
 ・平成23年・冬の青春18キップ乗車記PART.1【惜別119系乗車記】(H23.12.31)…http://tomodachiya0221.at.webry.info/201206/article_88.html
 ・[ぐるっと善知鳥・塩嶺号]・[ぐるっと塩嶺・善知鳥号]乗車記(H24.12.15)…http://tomodachiya0221.at.webry.info/201212/article_2.html