※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。一部写真が無い部分や誤字・誤変換等もありますが、よろしければご覧ください(by管理人)。
長野電鉄では2月26日(土)から2100系(元JR東日本253系)を使用する、特急[スノーモンキー]が新特急として運転される予定となっていますが、営業運転に先駆け先行試乗会が20日(日)に行われるという企画イベントが発売されましたので、地元に住んでいるという「地の利」を生かし、早速申し込みを行い参加をすることにしました(今回は午前のコースと午後のコースがあり、私が申し込んだのは午前のコースです。)。
ところが申し込み後、何日か経過してから長野電鉄から電話があり「車両の準備が間に合わないため、企画の実施を再検討しています。最終的な決断は16日(水)に決めます。」との連絡があり、試乗会は中止か…と思っていたのですが、何とか車両整備も間に合ったようで試乗会は予定どおり行われることになりました。
この車両には特別な思い出もあるため、本来ですと妻と2人で参加をする予定だったのですが、前の晩に娘が急に熱を出したため、今回は電車にはまったく興味のない息子を連れての参加となりました。
(←信州中野① クハ2150+モハ2100+デハ2110 ③長野→)
長野駅での受付が9時からという案内でしたので、早々に受付を済ませ息子と共に駅前のファストフード店で時間を潰します。
コーヒーを飲みながら、受付の時点で座席番号が記入されたキップ(硬券)とスノーモンキーのパンフレットに記載されている座席表を見たところ、湯田中よりの1号車は回転リクライニングシート車で、あとの2号車と3号車はJR時代のままの集団見合い式の座席となっているようです。これは営業運転になってからも変わりがないと思いますので、1号車に人気が集まりそうです。
列車は「10時に入線します。」と聞いていましたので、15分位前に長野電鉄の改札口まで戻り列車の入線を待ちます。改札の駅員さんの「どうぞお入りください。」の声でホームに入っていくと、そこには見慣れた253系が待受けていました。長野電鉄のホームに253系があることが信じられない!そんな気持ちでデジカメで撮影を開始します。
さて、この特急[スノーモンキー]に使用される2100系電車ですが、ご存知のとおり元JR東日本の253系・成田エクスプレスです。
この253系は1991年3月に成田国際空港へのアクセス特急[成田エクスプレス]として登場した車両です。車体色には「北極圏の白」、「成層圏の灰色の空」、「地平線に輝く赤い太陽」、「果て無き黒い宇宙」をイメージした車体色となっており、長野電鉄でどのような塗色になるのか注目をしていたのですが、結果的にはJR時代の配色をそのまま引き継いだ形で運用に就くようです(屋代のテクニカルセンターでマスキングなどをした姿を見ていましたので、ガラッと塗色を変えるものと思っていました。)。
それでもN’EXの飛行機マークが消されて「スノーモンキー」のロゴが入るなど長野電鉄のオリジナリティもあちこちで見かけることが出来ます。
多くの乗客で混雑はしていますが、そのような中で各車両を見てみます。
1号車は元クロ253が種車となっているため、運転席側の車端部には「個室」が設けられていることが最大の特徴です。
JR時代には「グリーン個室」として提供されていたものなのですが、長野電鉄でもそのまま「個室」として提供されるとのことです。ただ、JR時代には高値の華であった「グリーン個室」も、長野電鉄ではわずか1,000円という安価な料金で利用できるようです。
本日は試乗会ということで来賓室として使用されていましたが、営業運転に就くようになったらぜひとも利用してみたいと思っているところです(ちなみに車内放送でこの部屋を『スパサルーン』と呼ぶことにしたとの案内がありました。)。
2・3号車についてはJR時代から普通車として使用されていた車両で、車内はご存知のとおり悪名高き「集団見合い式シート」となっていました。長野電鉄でもそのままの状態で使用されるわけですが、JR時代のような高額な特急料金を支払って進行方向と逆のシートを指定されれば怒りたくもなりますが、長野電鉄の特急料金はわずか100円。これならば文句を言う乗客などいるはずありません。まあ、もともと今までB特急として使用されていた2000系も「集団見合い式シート」でしたから、利用客のほうが慣れていますし…。ただ、ハットラック式の荷物棚がそのままだったのが気になります。飛行機に乗りなれている人ならともかく、一般の人には使いにくいのではないかと思えました(1号車は普通の荷物棚です。)。
発車時間が迫ってきたので子供と一緒に座席に戻り発車の時を待ちます。
10時20分、定刻どおりスノーモンキーは長野駅を発車して地下道をぐんぐんと駆け上っていきます。1号車はもともとグリーン車だったせいでしょうか、シートピッチが非常に広くリクライニングシートを倒せば優雅な空間となります。ただ、残念なのは窓面積が狭いため閉塞感を感じてしまうことと、シート位置と窓割があっていない場所があるので、座るときには注意が必要なことくらいでしょうか。
善光寺下駅を通過すると、ここまで地下を走ってきた[スノーモンキー]はいよいよ地上に出ます。沿線の人たちも珍しい電車が走っていることに気がつき、多くの支線を浴びながら進んでいきます。
途中の村山駅では最後の活躍をする2000系D編成とのすれ違いが行われます。[スノーモンキー]が営業運転に入るのと同時に2000系D編成は引退をしてしまいますので、[スノーモンキー]の車内から2000系D編成を見ることができるのは今回が最初で最後になると思われます。
須坂駅では20分の停車時間が設けられており、ちょうど良い撮影タイムとなります。ここでも長野電鉄のちょっとしたイベントが隠されており、特急[ゆけむり]が特急[スノーモンキー]を追い越すというシーンがありました。こちらのシーンも営業運転ではあり得ないことなので、多くの人がそのシーンを写真に収めようと頑張っていました。
須坂駅を発車した[スノーモンキー]は快調に…と言いたいところですが、さすがに単線区間に臨時ダイヤを組み入れていますので、列車交換で運転停車を繰り返しながら信州中野駅に到着しました。
(←長野③ デハ2110+モハ2100+クハ2110 ①信州中野→)
信州中野駅では22分間停車した後、[スノーモンキー]は長野駅に戻ります。帰路は運転停車はするがドア扱いはしないとの車内放送がありました。「退屈するかな?」と思ったのですが、車窓から見える北信五岳の説明や車内の自動放送の声は「SBCテレビの山崎アナウンサーの声です。」という裏話の説明等もあり、全く退屈することなく長野駅まで戻ってくることができ、とても有意義な試乗会でした。
※ちなみに…この「指定席券・乗車券」を持っていると、本日に限り長野電鉄全区間乗り放題という案内もありました。
特急[スノーモンキー]で湯田中まで行き、美味しいお蕎麦を食べ、駅隣のお風呂に入って、帰りは特急[ゆけむり]に乗って帰ってくる。そんなショートトリップを休日にしたくなりました。
今週末は既に予定が入っているの駄目ですが、来週には妻を連れて出かけてみようっと…!
※おまけ
長野駅と信州中野駅ではサービスで幕回しを行っていただきました。すべてをアップするのは難しいですか、特色のある幕に注目です。
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