【乗車記①からの続きです。】
【旅行第2日目・8月28日(土)】
(←中部天竜① クハ116-203+モハ116-45+モハ117-45+クハ117-23 ④豊橋→)
豊橋からは今回の旅行の目的でもある快速[そよかぜトレイン117]に乗車します。この列車に使用される117系電車ですが、京阪神地区で「新快速」として使用されていた153系急行型電車の置き換えを目的に1979年に登場した車両です。
デビュー当時の車両は全席転換クロスシートでつり革なし、車内の妻面には木目調の化粧板を取り付けるなど近郊型車両としては珍しいスタイルで登場しましたが、現在ではつり革を設備するとともに車端部はロングシート化され時代にあった改造が施されています。
また、新快速の運用から外れたあとは2扉車という車体構造が災いし、乗降に時間がかかるということからラッシュ時の快速運用等に入ることなく、主たる運用は普通列車の運用となっています(一部の線区では快速運用にも入っています。)。
さて、今回乗車する[そよかぜトレイン117]は、そんな117系4連を改造した車両が使用されます。この列車の最大の特徴は「ウィンディスペース」と呼ばれる2号車です。この2号車は誰もが自由に利用できるスペースとなっており、沿線の景色や自然の風を体験できるよう窓上部のガラスが外されているほか、乗降扉も撤去され展望柵がはめ込まれ、外装についても飯田線沿線の山や川をイメージした配色となっています。
また、指定席となる1、3、4号車についても座席3列分の中間にあるシートを外し、そこに大型テーブルを設置したクロスシート使用となっています(テーブルも大きいですしシートピッチが広いので、前の席の人と足が干渉することもありません。)。
今日は天気もいいので混雑を予想していたのですが、座席を見ると結構空席が目立ちます。私もひとまず自分の席に座ってしばらく117系の乗車を楽しむことにします。
発車後、しばらくたっても私の席には誰も来ません。どうやら相席を嫌って指定券が発売されていない席に移ったようで、おかげで1人でゆったりと座っていくことができます。
飯田線はご存知のとおり単線路線のため少し走っては列車交換となるため、頻繁に停車が繰り返されます。まあ、急いでいる人はいませんのでこの程度のスピードが景色等を楽しむのにはちょうど良いというところでしょうか…。列車は鳳来峡を見ながら北へ北へと進んでいきます。車内で飯田線の紹介や鳳来峡の説明があるのはありがたいところですが、せっかく秘境駅に向かっていくわけですからそれらの紹介があっても良かったのではないかと思いますし、なによりも(苦労をしてチケットを手に入れているわけですから)乗車証明書が欲しかったですね。
豊橋を発車して約2時間。列車は佐久間レールパークもなくなりすっかりと寂れてしまった中部天竜駅に到着しました。
PHOTO:2号車のドアは走行中は開いているのですが…
PHOTO:車庫等に入る際は冷房効率を上げるため締め切ります。
PHOTO:三河東郷駅ではしばらく停車します。
PHOTO:暑い日でしたので水の流れが一層涼しげでした。
PHOTO:なんとか117系と119系を同じフレームに収めることができました。
(←天竜峡① クハ372-13+サハ373-13+クモハ373-13 ③中部天竜→)
中部天竜から天竜峡までの間は、時間短縮のため特急列車でワープをします。こんな閑散とした路線に特急列車が必要なのか?とは思うのですが、自由席を中心にそこそこ乗車しているようなので、それなりに需要はあるようです。
この[WV伊那路]に使用されている車両は、JR東海の汎用特急車両とも言うべき373系が使用されています。デッキ扉レスの車両は特急車両としてはやや風格に欠ける気がしますが、明るい車内と柔らかめのシートには好感が持てます(373系は私の好きな列車のひとつでもあります。)。以前は特急[東海]や快速[ムーンライトながら]に使用されていましたが、現在では優等列車としては特急[WVふじかわ]と[WV伊那路]のみとなってしまいました。
この車両、「電動車」に乗るとインバータの起動音が耳障りですので、静かな車内をお望みの場合はクハ車への乗車がお勧めです。
(←岡谷 クハ118-5023+クモハ119-5031 天竜峡→)
天竜峡からは119系2連の普通列車で岡谷駅を目指します。
飯田線に残っていた旧型国電を置き換えるために1982年に登場した119系電車ですが、JR東海のプレスリリースによりますと、平成22年から25年にかけて313系を120両製造し、現在使用されている国鉄型車両を一掃するとのことですので、いよいよ119系の終焉も迫ってきたようです。
長野県に住んではいるものの、なかなか飯田線へ乗車する機会もありませんので「これが最後の乗車」という気持ちで乗り込みます(なお、過去に119系に乗車して全線乗車はしています。その記事についてはこちらですhttp://tomodachiya221.at.webry.info/200812/article_34.html)
特急[WV 伊那路1号]を降りたのですが、茅野行きの普通列車はまだ入線していません。天竜峡駅のホームには人が溢れるほど待っています。「…もしかして、この人たち全員乗るの?」と思ったのですが、予想どおりそのとおりでした。
列車は発車時点から込み合い、どこかで空くのかな?と思っていたのですが、結局岡谷駅に到着するまでずっと混んでいました。
岡谷駅からは「いつもの信州色の115系」に乗車して松本に戻ります。
なんの特徴もない115系ですが、冷房だけはしっかりと効いていることは好感が持てます。特に今年の夏は暑いので頼もしい存在ですね。
飯田線の楽しみといえば「イベント列車の 展示・走行」と「佐久間レールパーク」に立ち寄れることだったのですが、どちらも過去帳入りとなってしまいました。あとの楽しみは「秘境駅」だけですかねぇ~(個人的にはまったく魅力を感じませんが…。)。
コメント