※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。


 昭和46年のデビュー以来、交直流区間はもとより横川-軽井沢間のエースとして活躍を続け、JR化後においても上越線・信越線経由で首都圏に顔を出していた489系ボンネット車ですが、ついに今回のダイヤ改正をもってその活躍に終止符を打つことになりました。
 急行[能登]そのものは臨時急行として残りますが、使用車両の受持ちがJR西日本からJR東日本に移管されてしまいますので、ボンネット型・国鉄色の489系を見ることも乗ることも最後になってしまうようです。
 乗車する機会はないだろうなぁ~と思っていたのですが、仕事の関係で都内に来ましたので「これが本当に最後!」ということで、489系・能登編成を使用する[ホームライナー鴻巣3号]に乗車してきました。




○上野(1840)→鴻巣(1930) 3973M [ホームライナー鴻巣3号] 489系9連【H03編成】
(←鴻巣⑨ クハ489-5+モハ489-13+モハ488-5+モハ489-20+モハ488-205+サロ489-25+モハ489-30+モハ488-215+クハ489-505 ①上野→)
 これから乗車する489系・能登編成は、急行[能登]に使用される車両ですが、その運用につくまでの間に[ホームライナー鴻巣3号]と[ホームライナー古河3号]にも充当されるため、乗車するチャンスは結構あります。

 本来なら急行[能登]に乗車を…というところですが、明日も朝から長野で仕事ですので、時間の早い[ホームライナー鴻巣3号]に乗車することにしました。
 ダイヤ改正が迫っており混雑が予想されていましたので、17時50分頃に上野駅に到着したのですが、なんと券売機の前には既に人の列が出来ていました(しかも[ホームライナー鴻巣1号]のライナー券を販売している最中にもかかわらず…。)。

 このあと[ライナー券]の発売時間までに人の列はさらに伸び、上野駅の8番線ホームには[ライナー券]を求める人と489系の勇姿をカメラに収めようとする人で大混雑の状態となります。
 18時10分頃になり[ライナー券]が発売になり、無事、購入することができましたので、なんとか今回は乗車することができることになりました。その後、乗車する人の列に並び列車の入線を待ちます(傍から見ると不思議な光景でしょうね…。)。
 18時20分頃、[ホームライナー3号]に使用される489系が、ものすごいカメラの放列に迎えられながらホームに入ってきます。

 その後、ライナー券のチェックを入口で行なってから車内へと入ります。いつもならば先頭車となる⑨号車に向かうのですが、今回は最後尾の①号車に向かいます。1号車の車体番号は「クハ489-505」と表示されています。そうです、この車両が横軽区間でEF63と強調運転を行なっていた車両なのです。489系への乗車は今回が最後になりますので、今回はこの1号車に乗車します。なお、この1号車は急行[能登]ではレディースカーとなっていますので、急行[能登]では絶対に乗車できませんので、その意味でも1号車への乗車は貴重ということになります。

 乗車する人の波が途切れた頃、私も車外に出て489系の勇姿をカメラに収めます。ホーム一帯は凄い数の人で溢れかえっていますが、なんとか撮影をして車内に戻り発車のときを待ちます。

 [ホームライナー鴻巣3号]は定刻どおりに上野駅を出発します。ライナー券がどのくらい売れたのかは不明ですが車内はほぼ満席の状態です。
 聞きなれないチャイムのあと車内放送が始まります。今回は鴻巣駅に到着するまでの間、このチャイム音のほか「信濃の国」、「佐渡おけさ」、「鉄道唱歌」のチャイムを聴くことが出来ましたので、もしかすると車掌さんのサービスだったのかもしれません。

 列車は快調に…と言いたいところですが、さすがにラッシュ時間帯のせいでしょうか「湘南・新宿ライン」の列車に向かれたり、「京浜東北線」の列車と併走したりしながらゆっくりとした速度で鴻巣を目指して走り続けます。
 最初の停車駅となる浦和駅では降りる人が少なかったのですが、次の大宮駅では1/3程度の乗客が降ります。大宮駅までは30分に満たない時間ですが、エクストラコストを支払っても「座って帰りたい。」という人が多いということがよくわかります。

 車内がだいぶ空いた[ホームライナー鴻巣3号]は、若干ペースを上げながら北を目指して走り続けます。上尾、桶川、北本駅で残った乗客の大半が下車してしまいましたので、車内に残っているのはごく少数の一般客とコアな鉄道ファンのみです。
 車内の移動も楽に出来るようになったため、車内のアコモ状況を観察・撮影する人、車体番号をチェック・撮影に回る人、車内放送を録音する人・撮影する人など、皆、自分のスタイルで乗車を楽しんでいます(一番多いのは、じっくりと座って乗車を楽しんでいる人です。)。

 いつまでも乗車していたいところですが、この列車は「鴻巣」止まり。名残惜しい気持ちを引き釣りながら、最後の乗車となった489系の車内を後にすることとしました。




 489系が急行[能登]から引退することは承知していますが、489系そのものはどうなるのでしょうか?このまま引退→廃車となるのか、それとも波動用として残すのか…。
 国内では貴重なボンネットタイプの車両です。短編成化(2M2Tでも!)をしてもいいのでもう少し見ていたいというのが本音ですね。


【参考】
急行[能登]の乗車記 http://tomodachiya221.at.webry.info/200907/article_65.html
           http://tomodachiya221.at.webry.info/200909/article_32.html
[ホームライナー鴻巣3号]乗車記 http://tomodachiya221.at.webry.info/200809/article_1.html


【乗車日:平成22年3月10日(水)】鉄道コム