※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。



 長野電鉄の前身である「長野電気鉄道株式会社」は、1926年(大正5年)に長野線(権堂~須坂間11.5Km)を開通させ、これと同時に村山鉄橋を開通させ今年で83年を迎えました(83年前にこのような大きな鉄橋を作った事にもおどろきです。)。

 この村山鉄橋は柳原駅と村山駅の間を流れる「千曲川」に架かる、全国でも珍しい道路との併用橋でしたが、この11月6日をもってその役目を終えることになりました。

 このタイミングに併せて長野電鉄から、村山鉄橋に対する感謝をこめ、ライトアップされた村山鉄橋を渡る「1000系ゆけむり貸切特別ツアー」なるものを企画したとのプレスリリースが長野電鉄からありましたので、「これは…」と思い、早速申込みを行いツアーに参加をしてきました。




①須坂(2307)→長野(2327) 特急[ゆけむり(団体)]【S2編成】
(←長野④ 1032+1022+1012+1002 ①須坂→)
 今回の貸切特別列車は、通常の営業運転が終了した後に走らせる関係もあり、長野電鉄の車庫がある須坂駅を23時過ぎに出発するという設定になっています。今回は須坂駅前の駐車場が無料開放となるということなので、須坂駅までは自分の車で向かい乗車する事にしました。

 須坂駅に到着したのは10時少々前でしたが、もうすでに人が集まり始めており、また、改札口前では鉄道グッズの販売等も行われており結構盛況なようでした。また、普段の臨時列車とは異なり「村山鉄橋の廃止」という社会的なニュース要素もあることから、新聞やテレビの報道関係の方も多く取材に見えていました。

 当初の予定では10時30分頃から受付の開始ということでしたが、駅の改札口に多くのファンが集まったため、10時15分頃から受付が開始され、座席が指定された乗車券と記念グッズをいただき、その後ホームへと入りました(このときに展望座席の抽選を行いました。)。

 ホームには既に特急[ゆけむり(団体)]が入線しており、さっそく撮影会状態となります。あまり長野電鉄の須坂駅に訪れる機会はないのですが、この時間帯に[ゆけむり]を撮影できるのは珍しい事ではないかと思われます。

 夜間の撮影ですので、さほどしっかりした写真が撮れるわけもなく、私は早々に車内に入り相席となった方と鉄道談義に花を咲かせます。
 そのうちに、いよいよ発車の時刻となり特急[ゆけむり(団体)]はすべるように須坂駅を出発します。

 往路は村山鉄橋上で停止ではなく、時速30Km/Hに落としての徐行運転です。パンフレットや車内放送では「ライトアップされた村山鉄橋をお楽しみください。」と言ってはいるものの、実は線路切替の工事用ライトが突いているだけで、鉄橋自体をライトアップしているわけではありませんので、「見ごたえ」という部分では?でした。

 村山駅を通過すると、間もなく展望席に座れる時間となるため先頭車に移動をします。12D(展望席最前列・進行方向左側)という最高の座席を引き当てたのですが、さすがにこの時間では視界が利くはずもなく、また、乗車してるお客さんの熱気で窓ガラスが曇ってしまい、展望席の座り心地を楽しむだけに終わってしまったのが少々残念でした。この展望席に座っていることができるのは信濃吉田駅までの間のため、その後は自分の座席に戻ったのですが、乗り心地や車窓等を楽しむ間もなく、列車は間もなくして長野駅に到着をしました。





②長野(2346)→須坂(009) 特急[ゆけむり(団体)]【S2編成】
(←須坂① 1002+1012+1022+1032 ④長野→)
 長野駅では折返しまで約20分ほどの時間がありますが、列車の撮影や改札口に飾られた写真展などを見ているうちに発車の時間となります。列車はゆっくりとした速度で長野駅を出発していきます。

 復路はライトアップされた村山鉄橋の上で約5分間ほど停車します。往路では写真が上手く取れませんでしたが、袋では車内の電気を消していただけましたので、なんとか最後の村山鉄橋の姿を記録することができました。

 停車している5分の間に日付が替わるという行程になっているため、足掛け2日間、村山鉄橋の上にいた事になります。また、車内では日付が替わる1分前から車掌さんによるカウントダウンも行われ、「3…2…1…0、かんぱ~い。」と村山鉄橋に感謝をこめて、鉄道グッズとともに配布されたノン・アルコールビールで乾杯も行われました。

 その後、特急[ゆけむり(団体)]は2度と渡ることのない「村山鉄橋」をあとにして発車をし、まもなく終点の須坂駅に到着しました。




 今回も「乗り鉄」ということでは、いつもの多客臨時列車への乗車となんら変わるものではありませんが、なんとなく歴史的な1ページに立ち会うことができたような気がしますし、そのことが大きな記念ともなりました。
 今後も身近なところでこのようなことがあれば参加をしていきたいですね。

【乗車日:平成21年11月6日(金)】鉄道コム