※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。


 9月頃から「しなの鉄道が軽井沢から姨捨まで直通の臨時列車を走らせる。」という噂が流れ始めました。「う~ん、乗りたい。でも、車両は?」と思い続けていたところ、「しなの鉄道所有の169系を使用して快速[おばすて棚田紀行号]という名勝で運転をする。」という概要が発表されました。

 しなの鉄道の車両がJR東日本の線区を走ることは珍しくありません(毎日、篠ノ井-長野間を走っていますので…。)。篠ノ井-長野間以外でも昨年の11月から今年の2月にかけて「169系湘南色で行く信州の旅シリーズ」という企画が実施され、11月には急行[妙高号]が長野-直江津間、12月には急行[アルプス号]が松本-南小谷間、今年の1月には急行[善知鳥号]が松本-岡谷間(辰野経由)、そして2月には急行[ちくま号]が長野-松本間を走りました。ただ、今回は今までとは異なり「しなの鉄道の営業区間から乗客を乗せたまま、直接、JR区間に乗り入れる。しかも、前回の企画時とは異なり今回は「しなの鉄道色(レッド&ガンメタ)」のままで。」ということに大きな注目が集まっています。

 これは地元に住んでいる以上、乗らないわけには行きません。予定等が立て込んでいましたが、なんとかやりくりをして往路だけですが乗車をしてきました。





①姨捨(700)→篠ノ井(714) 1221M 115系6連
 今回は諸般の事情で「姨捨駅」スタートです(どうしても12時30分までに自宅に帰らなくてはいけないため…。)。なお、姨捨駅に来る途中で、しなの鉄道の屋代駅に立ち寄り「限定販売の鉄道グッズ」と「鉄道の日フリーきっぷ(驚きの1,300円)」を購入してきました。

 …ということで、姨捨駅の1番列車に乗って篠ノ井駅を目指します。「この時間だし、今日は土曜日だから空いているだろう…」と思ったところ、6両編成なのに混んでいてびっくり。辛うじてロングシート部分が空いており座ることができました。車内で姨捨⇔篠ノ井の車内補充券を購入しているうちに篠ノ井駅に到着です。





②篠ノ井(732)→小諸(823) 622M しなの鉄道・115系3連【S8編成】
(←小諸 クモハ115-1529+モハ114-1052+クハ115-1021 篠ノ井→)
 篠ノ井駅ではしなの鉄道の115系に乗換え小諸駅を目指します。こちらの列車も時間帯がいいのか、先ほどの列車以上の混雑です。社会人よりもクラブに行く学生が多いので上田あたりで空くだろうと思っていたのですが、上田からも大勢の乗客があり、結局、終着の小諸まで混雑が続きました。ただ、毎回思うのはしなの鉄道の車両は清掃が行き届いていて気持ちいいですね。これだけでも「乗ってよかった。」と思えます。





③小諸(835)→軽井沢(859) 758M しなの鉄道・115系3連【S6編成】
(←軽井沢 クモハ115-1002+モハ114-1003+クハ115-1002 小諸→)
 小諸駅では12分の待ち合わせで軽井沢行きに乗り換えます。
 さすがにここからは列車も空いており、ボックス席を1人で座って過ごすことができました。






④軽井沢(947)→姨捨(1131) 9633M~9234M 快速[おばすて棚田紀行号] しなの鉄道・169系3連【S52編成】 
(←篠ノ井③ クハ168-19+モハ168-6+クモハ169-6 ①軽井沢→)※篠ノ井-姨捨間は逆向き
 軽井沢駅にどのくらいの人が集まっているか心配だったのですが(私は1時間ホームで並ぶ覚悟でした。)、なんと、ホームで待っているのは1人だけという状況。本当に「えっ!」という声が出てしまいました。ということで、あわててホームに並ぶ必要もないので、一度改札を出て食料等を調達した後、ホームに入りしばらく待っていたところ、軽井沢到着後に、快速[おばすて棚田紀行号]となる快速[軽井沢ホリデー2号]が到着しました。車内を見たところ「…人がいない。」ということで、快速[おばすて棚田紀行号]にはゆったりと好きな座席に座っていくことができることになりました。

 今回使用される車両は、ご存知169系S52編成です。この編成は昨年「湘南色」に塗り戻された、しなの鉄道のエース編成で、JR東日本長野支社管内には馴染みのある車両です。今回は「静かなクハに…」と思っていたのですが、3号車の先頭部分が売店となっているため「人の行き来が多いだろう。」と思い、それを嫌って2号車に席を確保しました。今回はモーター音を聞きながらの乗車としました。

 列車は2割程度の乗客を乗せて軽井沢駅を出発します。乗客はさほど多くはないのですが、しなの鉄道は今回の臨時列車には力を入れているようで、様々なイベント等が行われます。
 まず最初は「観光車内イベント」として、浅間山ビューポイントの信濃追分駅と御代田駅間において徐行運転を行います。軽井沢に来るときは完全に雲の中に入っていた浅間山も、ビューポイントを通過するときには7割方見ることができました。また、車内では沿線各地の紹介・観光案内等が行われ「へぇ~そうなんだ!」と思うようなことがいくつもありました。

 途中駅からも結構な乗客が乗ってくるのですが、どうみてもこの列車目当ての乗客ではなく、「たまたま駅に着いたらこの列車が来た。」というような方を多く見受けられました。
 列車は小諸駅を出発すると上田駅まではノンストップで走ります。駅の通過シーンを繰り返し見ていると、本当に昔の「急行列車」に乗っているような気がします。

 戸倉駅では「おもてなしイベント」が用意されており、戸倉上山田温泉湯上り美女連(?)によるお出迎えと踊りなどが披露されました(ホームでの放送の調子が悪くて気の毒でした。)。また、10日及び11日の2日間限定で「駅弁」の販売も行われていたようです(列車の撮影に夢中で忘れていました。)。
 戸倉駅では13分の停車した後の発車となりましたが、発車の合図は千曲市の副市長が行いました。

 篠ノ井駅では進行方向が変わるため5分間の停車となります。
 篠ノ井駅を発車すると右手に「篠ノ井派出」と見慣れた風景が広がりますが、その風景をしなの鉄道の車両で見るというのも不思議な感じがします。

 今回は「桑ノ原信号所」での退避も行われました。「(時間的に)長野行きの普通列車の退避かな?」と思ったのですが、今回の臨時列車の設定により普通列車の時刻も変更されているようで、今回は「空退避」(イベント列車だから?)でした。
 桑ノ原信号所を出発すると間もなく終着駅となる「姨捨駅」に到着します。乗車しているとあまり感じなかったのですが、さすがに姨捨駅で列車から降り、そこに停車しているしなの鉄道色の車両を目にすると、やはり違和感というか不思議な感じを受けましたが、今回は非常に貴重な体験をすることができました。



 10月1日から12月末までは「信州デスティネーションキャンペーン」が開催されるため、多くの臨時列車が走ります。 特に10月については秋の観光シーズンとも重なるためでしょうか、目移りがするほど多彩な臨時列車が設定されています。次はどの列車に…と考えるだけで楽しいですね。さて、次は何に乗りましょうか?

~Special Thanks Mr.H.Y&MrF.K~
【乗車日:平成21年10月10日(土)】鉄道コム