※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。



 非電化区間のエースとして長らく活躍してきたキハ181系ですが、いよいよ終焉のときが近づいてきたようです。JR西日本から3月に「特急[はまかぜ]に使用しているキハ181系については、平成23年の春頃までに新型車両に置き換える。」旨のプレスリリースがありました。これによりキハ181系が全廃になるのかどうかは不明ですが、定期の特急列車に使用されるのは最後になると思われます。

 置き換えまでは1年6か月以上ありますが、特急[はまかぜ]が走行している関西~山陰という地域に、「ちょっと乗り鉄に…」と出かけるにはあまりにも遠すぎます。ところが今回はちょうどいいタイミングで「西日本パス」という激安のフリーキップが発売されましたので、このキップを使用して思い切って出かけることにしました。

 この「西日本パス」ですが、今年、政府から支給された定額給付金の金額と同額で購入でき、また、土日の高速道路1000円乗り放題に対抗して発売されたフリーキップです。このキップのすごいところはJR西日本管内の乗り放題だけでなく、JR四国管内の全線とJR九州の一部区間が乗り放題というものです。
 普通車用とグリーン車用の2種類に、それぞれ2日用と3日用がありますが、今回はちょっと贅沢に「グリーン車用・2日間(大人16000円、子供8000円)」を購入して、我が家の「鉄子(小2の娘です。)」とともに出かけることにしました。

 なお、購入した「西日本パス」2日用ですが、趣味の「乗り鉄」でまるまる2日間も家を開けるわけにはいきませんので、今回は実質日帰りで戻ってくるという強行日程です。
 金曜日の夜、お風呂に入ってから「直江津駅」を目指して、まずは車で出発します(車を直江津駅に停めて、直江津駅から列車に乗ります。)。




①直江津(055)→京都(616) 602M 急行[きたぐに] 583系10連【B2編成】
(←京都① クハネ581-28+モハネ582-74+モハネ583-74+モハネ582-73+モハネ583-73+サロ581-103+サロネ581-6+モハネ582-78+モハネ583-78+クハネ581-35 ⑩直江津→)
 今回の旅行の最初に乗車する列車は581・3系を使用する最後の定期夜行急行の[きたぐに]です。列車の趣旨からすると寝台車に乗車するのが本筋でしょうが、今回の「西日本パス」はグリーン車用のため、この列車のグリーン車ならば追加料金が不要ですので、グリーン車で仮眠を取りながら京都に向かうことにします(私は寝台でも座席でも眠れませんし、子供は座席でもぐっすりですので…。)。

 さて、今回乗車する581・3系寝台列車ですが、ご存知のとおり昭和42年に国鉄が設計・製造した日本発の寝台電車です。当初は直流と交流60HZにのみ対応した581系が製造されましたが、翌年には直流と交流50/60HZに対応した583系も誕生し、581系を含めて583系と呼ばれています(年配のファンの間では、最初に使用された列車名を用いて「月光型」と呼んでる人もいます。)。この列車が誕生した背景は、昭和30~40年代にかけての好景気による輸送の需要拡大に伴い、運転本数が多くなった車両の留置をする車両基地の問題と、その需要にこたえるべき車両を新規製造する費用の捻出が問題になったきたことにあります。これらの問題を一挙に解決するたには、昼夜兼用で使用可能な寝台兼用電車を走らせればいいという考え方の基に設計・製造されました。

 基本的な性能等は同時期に登場した485系グループと同じですが(併結も可能)、何よりも三段寝台をセットするために車両限界いっぱいまでに拡大された車体と、485系グループでは窓周りが赤色で塗られていた部分が、青色で塗られているのが特徴でした。ただ、今回乗車するJR西日本の583系については、民営化後に塗色変更が行われており、現在では「西日本特急色」となっています(JR東日本の583系は国鉄色です。)。

 昼夜兼用の列車として大車輪の活躍をした583系は、昭和42年から46年にわたって434両も製造されましたが、現在ではJR東日本に12両(6両×2編成)、JR西日本に50両(10両×5編成)が残るのみとなってしまいました。しんも今回乗車する急行[きたぐに]が唯一の定期運用ということで、将来展望は「風前の灯」状態といえそうです。この列車、乗るのも撮るのも「今のうちに…。」という事だと思います。

 さて、今回は先ほども書きましたが寝台車ではなくグリーン車へ乗りますが、急行[きたぐに]に使用されるグリーン車には2種類あり、通常のシートがずらっと並ぶ車両のほか、車端部のシートが外され、ソファとテーブルを配置してミニサロン風とした車両があります(全車はサロ581の0番台、後車は100番台が符定されています。)。
 ミニサロン風のグリーン車を連結した編成は「シュプール&リゾート」編成と呼ばれており、テーブルで書き物をする私にはこちらの方がいいので、今回もこちらの編成を期待していたところ、直江津駅に到着した編成は期待どおりの「シュプール&リゾート編成」でした。

 今回指定された座席は1番のA・B席ということで、ふつうでしたら目の前が壁の「あちぁ~。」という席なのですが、前述のとおり席の前にはミニサロンがありますので、シートに座っている子供に目を配らせながら書き物ができて最高の席でした。

 さて、直江津駅を定刻に出発した急行[きたぐに]ですが、なぜか異常にに揺れます。その上、複層ガラスで囲まれたグリーン車なのですがとてもうるさい。最初は糸魚川まではトンネル区間が多いからかな?と思っていたのですが、京都に着くまでそのような状態でしたので、車両固体の問題ではないかと思われます(車掌さんたちは気がつかないのかなぁ?)。まあ、こんなことで文句を言っても仕方がありませんので書き物を早々にあきらめ、シートに座って眠ろうとするのですが、(あいかわらず)なかなか寝付けません。今回も1時間程うとうととしただけであとはずっと起きている状態でした。

 車内ですが、グリーン車は座席数が24席という少なさですが、結構な乗車率で7割程度は埋まっています。また、自由席は直江津や富山駅で乗客の入れ替えがあるなど結構な混雑だったようです。
 福井駅を過ぎる頃からは夜も白々とあけ始めます。新疋田のループを楽しみに期待していたのですが、あまり感じることもなく通り過ぎてしまったようです。

 関西を始発着とする優等列車の大半は湖西線経由ですが、この急行[きたぐに]は米原を経由してから大阪を目指します。そのため近江塩津駅を過ぎると進路を南に変え、湖西線と別れを告げて米原を目指します。途中、進行方向右手に和すがな時間ですが琵琶湖を見ることができました。米原駅からは再び進行方向を西に向け、元特急電車の底力を発揮して大阪を目指します。「さすが特急型車両!」と思いながら景色を見ていましたが、列車はトンネルを抜けて京都駅に到着しました。




②京都(706)→上郡(902) 51D 特急[スーパーはくと1号] HOT7000系5連
(←上郡① HOT7012+HOT7032+HOT7047+HOT7053+HOT7024 ⑤京都→)
 京都からは特急[スーパーはくと1号]に乗り換えます。この[スーパーはくと1号]に使用されている車両は、智頭急行が所有するHOT7000系というDCです。最初はHOTという記号の意味が分からなかったのですが、資料等を見たところ、この列車が走る県の頭文字をとったものだということがわかりました(兵庫県のH、岡山県のO、鳥取県のTということですね。)。

 中国山地を通過する智頭線・因美線においては、山岳路線ゆえに急勾配・急カーブが続く区間があり、高速運転に不適な条件を克服するために開発された、振り子機構装備の高速気動車です。その心臓部はコマツ製の355PSエンジンを1両あたり2基搭載し、営業最高速度は130km/hで走ります。

 デビュー当初は普通車のみの編成でしたが、現在ではグリーン・普通合造車も登場し、基本的には5両編成で運転されているようです。また、現在使用されているHOT7000系は内装等がリニューアルされています。車内サービスとてしては、デビュー当時から先頭車両端部にテレビカメラを設置し、客室の前後にある液晶モニターに前面展望映像の放映を行っているほか、現在では車内LED表示機による文字放送サービスも行われているようです。

 時刻表を見たところ、入線は6時46分となっていたので編成写真を撮るため反対側のホームで待っていたのですが、時間になっても入線してくる気配がありません。7時を回っても入線してきませんので編成写真はあきらめて入線を待つことにしました。結果的には「入線、即、発車」でしたので判断は間違っていなかったようです。

 車内に入ると、前述のとおりグリーン車は普通車との合造のため1両の半分しかありません。そこに大型のうすい山吹色といった感じで3列アブレストに配置されています。荷物棚は通常の形式ではなく航空機と同じハットラック方式、車内照明は間接式、地元の和紙や織物などが随所に使用されており非常に豪華な感じにまとめられており、とても地方の民間鉄道会社が所有している列車とは思えない設備となっています。

 また、このシートですがとても肌触りがいいんです。言葉に表すのが本当に難しいのですが、このシートにずっと座っていたいし、このシートに包まれていたいとおもえるような素材でできています。独立したヘッドレストもないですし、特に大型とシートではないのですが、カラーリングといいシート素材といいとてもよくできたシートです。

 さて、定刻に京都駅を出発した特急[スーパーはくと1号]ですが、「う~ん。」と唸りたくなるほど速いです。JR東海のキハ85系も速いと思ったのですが、そんなもんじゃありません。シートバックに体が押さえつけられる感じで発進していきます。そしてそのままの勢いで221系を追い抜くのは快感ですねぇ~。

 明石までは都会の町並みが並んでいましたが、明石を過ぎる頃からは田園風景が広がってきます。また、明石までは複々線区間でしたので、制限速度目いっぱいでの運転でしたが、明石からは複線区間のため速度も押さえがちな運転となります。これは列車ダイヤの関係で仕方がないのでしょうね。そんな事を思っているうちに「智頭急行」との乗換駅になる上郡駅に到着しました。
 結局、新大阪-上郡間にこの豪華にグリーン車は娘と2人だけで貸切状態で乗っていました(京都-新大阪間は他に1組いましたが…。)。





③上郡(950)→鳥取(1104)  71D 特急[スーパーいなば1号] 187系2連
(←鳥取① キハ187-504+キハ187-1504 ②上郡→)
 [スーパーはくと]に乗車していればそのまま鳥取駅に到着するのですが、今回は色々な列車に乗車するのも目的のひとつのため、上郡からはキハ187系を使用した特急[スーパーいなば1号]に乗り換えます。

 さて、ここから乗車するキハ187系ですが、山陰地区において陰陽連絡特急を中心に使用されてきたキハ181系の老巧化に伴う置換用として製造された車両です。
 こちらの車両も先ほどまで乗車していたHOT7000系同様、振り子機構装備の高速気動車です。こちらの心臓部はさらに強力なコマツ製の450PSエンジンを1両あたり2基搭載しています。

 また、特急[スーパーいなば]には高速化対応の500番台車(1500番台車)が使用され、運用面において智頭急行線内の列車ダイヤに支障がきたさないよう最高速度は130km/hとなっています(基本番台車は120km/h)。
 車体はステンレス製で、低重心化と軽量化が図られています。旅客数が少ない区間で運用されることから全車両が普通車から構成され、基本的には2両編成で使用されています。
 この車両は全ての部品が簡単な工具で取り付け・取り外しが可能となっているほか、座席などは683系と同一のものが用いられ、部品の共通化によるコストダウンが図られているようです。
 このように説明すると「素晴らしい気動車!」という感じを受けるのですが、実物の目の前にすると『車両のデザイン責任者は出て来い!』と怒鳴りたくなるようなデザインです。キハ181系はDCクイーンの誉れも高いキハ82系の優雅で華麗なスタイリングですが、このキハ187系は考えたデザインなのでしょうか?切妻型の車端部のデザインはいかにも「コストを押さえました。」ということを如実にあらわしているのではないでしょうか。

  さて、上郡駅に到着したキハ187に乗車し指定された座席に座ります。上郡駅からは進行方向が変わるため、発車後、しばらくの間は山陽本線を岡山方に走りますが、その後、山陽本線を跨ぐ形で北に進路を変えて進みます。智頭急行線は高架部分となっていますので、特急[スーパーいなば]も強力エンジンをうならせ一気に120km/hに達します。速さで言えば先ほどの特急[スーパーはくと]と遜色はないのですが、先ほどはグリーン車、今回は普通車ということでキハ187は非常にうるさいといった印象です。智頭急行線を含めて鳥取までの区間はトンネルが多く、そのたび「耳ツン」が起きるのは不快以外の何者でもありません。

 最初は「2両編成の特急なんて…」と思っていたのですが、指定席も8割程度、自由席も8割程度の乗車率なので、きちにとその辺を考えた上で2両編成としているのでしょうね。
 列車は高架駅の鳥取駅に定刻に到着しました。


※お断り
 1:文字数制限の関係で、乗車記を分割して作成しております。
 2:車両の説明記事については「ウィキペディア」から一部引用しております。


【乗車記:平成21年6月13日(土)】鉄道コム