※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。



 今年も大糸線に「ビューコースター風っこ号」が帰ってきました。
 昨年の運転は紅葉真っ盛りの10月の運転でしたが、今年は一転して新緑の時期の運転となりました。昨年の運転は、それまで2日間の運転日であったものが1日となってしまった反面、運転区間が松本⇔南小谷(白馬)間の往復だけでなく、信濃大町⇔白馬間にも1往復列車を設定するという、やや変則的なダイヤ設定でしたが、今年は運転日も2日間に戻され、運転区間も松本⇔白馬間の往復となりました。
 また、昨年の[北アルプス風っこ1号]は松本駅を8時27分という早い時間に出発し、終着駅の南小谷駅までの全区間を通じて寒かったせいでしょうか、今回は日中での運転となり時間的には大幅な変更となりました。
 昨年は指定席購入にだいぶ苦労しましたが、やはり運転日が拡大されたせいでしょうか、発売初日に購入することができました。今回は小学2年の子供2人のうち娘のほう(我が家では鉄子と呼ばれています。)を連れて大糸線・トロッコ列車の旅を楽しむことにします(松本の実家に行く用もありましたので、松本までの往復は自家用車です。)。
※昨日までは「団体列車」として使用していたせいでしょうか、松本駅のホームに入線したときは列車種別が「団体」と表示されていました。




①松本(1120)→白馬(1310) 9381D 快速[北アルプス風っこ号]
(←白馬① キハ48-547+キハ48-1541 ②松本→)
 快速[北アルプス風っこ号]は松本駅の6番線に11時7分過ぎに入ってきました。窓ガラスは入っていないものの、半透明のブラインドが下ろされているので「今日は寒いから、この状態で運転?」と思っていたところ、ホームに停車した時点で半分だけ上げました。どうやら本日の天気を考えて(曇りで風が冷たい!)の判断のようです。

 昨年秋の運転では、華やかな出発式が行われましたが、本日は何もセレモニー等が無く定刻に松本駅を発車しました。発車すると早速車内では観光案内放送が始まります。また、今年は穂高神社の大遷宮祭に当たる年のため、その観光PRを兼ねて巫女の方が2名乗り込み、観光パンフレットともに記念ノベルティの「夫婦長寿箸」を配布していただきました。

 車内はそのようなお祭りムード全開ですが、列車は松本から2つ目の島内駅で最初の運転停車を行い、快速[安曇野]と交換します。車内放送では「指定券は全席完売です。」と言っているのですが、車内には結構空席が目立ちます。「途中から乗ってくるのかなぁ?」と思っていたところ、豊科駅、穂高駅はもちろんのこと、信濃松川駅からも結構乗車してきます。大町駅到着を前にしてようやく車内も満席に近くなりました。

 列車は北アルプスの麓を延々と北に向かって走り続けます。田園地帯が途切れ、高瀬川を渡ると間もなく信濃大町駅に到着しました。
 大町駅からも乗車してくる人がいて少々驚きでしたが、ここで下車した人も多かったようです。信濃大町駅を出発すると車窓左手には仁科三湖のひとつ木崎湖が見えてきます。雨が降ってきたせいでしょうか、いつもよりは人影が少ないように思えました。その後、中綱湖、青木湖と続きましたが、どの湖も「釣客が少ないなぁ~」というのが正直な印象でした。また、この区間はいつもですと速度を落として仁科三湖の説明があるのですが、今回はそのような説明等も無く、淡々と列車は進んでいきます。この辺からはぐっと山が近くなってきた関係でしょうか、空気も一段と冷たくなってきました。
 列車は最後の停車駅となる神城駅に停車した後、定刻どおり白馬駅に到着しました。




②白馬(1345)→松本(1532) 9382D 快速[北アルプス風っこ号]
(←松本② キハ48-1541+キハ48-547 ①白馬→)
 白馬駅では約30分ほどの時間しかありませんので、駅前のファストフード店で食料の調達を行った後、ホームに戻って発車を待ちます。
 列車は「姫川太鼓」の演奏に見送られて白馬駅を後にします。最初の停車駅となる神城駅では特急[あずさ55号]と交換をします。こちらはほぼ満席ですが、あちらは9両編成にもかかわらずぼぼ空という状況でした。

 列車は雨がしとしとと降る中進んでいきますが、神城駅を出発後、速度がだんだんと落ちてきます。そんなに厳しい勾配ではないと思うのですが、エンジン音がけたたましく唸ってはいるわりには速度が上がりません。ついにカーブの途中で止まってしまいました。すると車内には何かが焼け焦げたにおいが充満します。そうです「車輪の空転」で停まってしまったのです。場所はちょうど佐野坂の上り勾配の途中です。「これは救援車騒ぎだよねぇ~。DD16の登場かもね?」、「いゃ~松本のクモヤ143かもね。」なんて悠長なことを趣味仲間の人と話をしていたところ、しばらくすると車内放送で「車輪がスリップして空転してしまうため、レールに砂をまいて上ります。」というアナウンスがありました。車内に乗車していたJRの社員さんが総出で砂を取りに行き(上り勾配なので近くにあったようです。)、結構広範囲にわたって砂を撒きます。

 一方の車内では再発進に向け1号車の後部に男性を集めます。これは動輪がこの場所に位置しているため、少しでも荷重をかけてスリップを防ごうということらしいです。さあ、これで準備が整いましたので再発進です。エンジン音が高まり、徐々に進み始めます。鉄の車輪が砂を踏みつけているのが分かります。徐々に、本当に徐々にですが速度が上がり、車内からは拍手が上がります。約20分停車後、快速[北アルプス風っこ号]は再び走り出すことができました。

 さて、列車が20分の遅れてしまった関係で、今夜の快速[ナイトビュー更級号]に乗車する人たちのために救済措置として、大町駅から特急[あずさ26号]へ振替輸送が行うことなどを決定するなど、快速[北アルプス風っこ号]のJRの社員さんは大忙しです。
 信濃大町駅では通常に下車する人のほか、前述のとおり今夜の快速[ナイトビュー更級号]に乗車する人が降りましたので車内はガラガラとなりました。私も座る席を変えて残る1時間の乗車を楽しみます。

 穂高駅では前述の特急[あずさ26号]を先行させるため約8分ほど停車をします。ここまで22分の遅れでしたから、ここで遅れは30分にまで拡大してしまいましたが、もともとこの列車は臨時列車ですし、時間的にゆったりとした列車のため、誰も車掌さんに文句を言うような人はいません。

 その後、列車は順調に進んでいたのですが、松本駅を目前にした北松本駅でも、松本駅のホームが空いていないため3分ほどの運転停車を行い、結局松本駅には33分遅れの16時5分に到着をしました。
 JRの社員さんは遅れたことをさかんに誤っていましたが、私にとっては1分でも長くビューコースター風っこ号に乗車することができましたので、文句どころか十分満足した1日でした。




 今回はとても貴重な体験ができました。
 また、改めて「列車を時刻どおりに運転する。」という難しさや「それに向けての努力は惜しまない。」というJRの社員さんのプロ意識の高さを肌で感じることができ、私も娘も非常にいい経験をさせていただいたと思っています(JRの社員の皆さん、本当に今日はごくろうさまでした。)。
 さて、話はガラッと変わり、大糸線の「ビューコースター風っこ号」の運転も定番化してきましたが、大糸線には来年度リゾートトレインが導入されることが決まっています。果たして、このリゾートトレインが導入された後も、「ビューコースター風っこ号」の運転は継続されるのでしょうか?

【乗車日:平成21年5月16日(土)】鉄道コム