※古い乗車記を他ブログから引っ越しています。写真がありませんが、よろしければご覧ください(by管理人)。



 いまさらながら…の感もありますが、自分の乗車記を見ていて「そういえば、長野電鉄の特急[ゆけむり]の乗車記がないなぁ…。」ということに気がつきました(一部区間の乗車記はあります。)。
 もちろん地元を走っている列車ですし、大好きな列車ですので展望車を含めて何回も乗車していますが、なぜか乗車記を作成していないのです。
 今年中には本家・小田急のHiSEにも乗車したいと思っていますので、乗り比べをする意味でも[ゆけむり]の乗車記が必要と思い、早速、湯田中まで1往復乗車してきました。




①長野(1341)→湯田中(1426) 9A 特急[ゆけむり] 長野電鉄 1000系4連【S2編成】
(←湯田中① デハ1002+モハ1012+モハ1022+デハ1032 ④長野→)
 特急[ゆけむり]に使用される長野電鉄・1000系ですが、皆さんご存知のとおり、元小田急電鉄のロマンスカー10000形HiSE(ハイデッカー・スーパーエクスプレス)です。

 小田急電鉄において、バリアフリー化が困難ということで廃車となる予定でしたが、平成17年に長野電鉄が無償で譲り受けた車両です。ただ、小田急時代は11両編成という長大編成でしたが、長野電鉄での使用に際して、ホームの有効長等の関係で3号車~9号車の中間車を外した4両編成としたほか、抑速ブレーキの強化やドアレールヒーターの取り付けなどの改造が行われました。外観は、ほぼ小田急時代の塗色を強襲していますが、小田急時代の「ワインレッド」の部分を長野電鉄のコーポレートカラーである「赤」に変更しています。大きな変更箇所はこのくらいですので、小田急時代からの展望車は健在です。

 小田急時代では入手困難な指定席として「プラチナチケット化」していていた展望席も、長野電鉄ではわずか100円の特急料金で、しかも、並べば誰でも座れる自由席として解放しています。
 休日には親子連れで賑わう展望室ですが、平日には空席で運転されている姿を目にしますので、展望室狙いの方はどうぞ平日にご乗車を…。

 さて、今回乗車する 9A・特急[ゆけむり]は10Aの折り返し運用となる列車のため、長野駅には12時48分に 2~3番線ホームに入ってきます(到着します。)。
 今回は乗車記を書く関係でどうしても最前列に座りたかったため、ホームに留置されている「ゆけむり」をひととおり撮影して1時頃から並びました(当然1番です)。先頭車の列が7~8人となった1時20分頃にはドアが開きましたので、さほど並ばずに最前列の席を確保することができました(今回は1番C席です。)。

★ここでワンポイント!★
 長野電鉄の長野駅は「地下駅」です。従って、雨や雪には無縁ですし、寒さをあまり感じることもありませんので、早めに並ぶことをお勧めします。

 特急[ゆけむり]は定刻に長野駅を出発します。長野電鉄は一部区間が地下となっているため、しばらくの感は暗い地下を走ります。長野電鉄の本社がある「権堂駅」に停車し「善光寺下駅」を過ぎると、間もなく地上に出ます。
 しばらくの感は複線区間ですので、運がよければ対抗してくる[ゆけむり]やB特急などとすれ違うこともあるようです(今回は残念ながらそのようなシーンには出会えませんでした。)。

 朝陽駅からは単線区間になります。1000系・ゆけむりは車両サイズが大きいので、沿線の家の軒下がぶつかりそうな感じもして、乗っているとスリリングな場面も結構あります。
 菖蒲の花で有名な柳原駅で元東急電鉄の8500系とすれちがうと、間もなく「村山橋」を渡ります。この村山橋は全国的にも少ない、自動車と鉄道が一緒に走る共用橋となっていましたが、自動車は新たに隣に作った橋を通っており、現在では「共用」ではなくなっています。ですが、間もなくすると長野電鉄も新しい橋に線路を引きますので、橋は変わっても「共用橋」となるようです。

 そんな村山橋を渡って、元営団地下鉄の列車が見えると須坂駅です。ここには車両基地があり、B特急用の2000系や現在では使用されていないOSカーなども見ることができます。鉄道ファンなら半日は楽しめそうな場所です。

 須坂駅を発車すると線路は北東に進路を変え、山に向かって走っていきます。信州の鎌倉といわれる小布施駅を過ぎ、りんご畑の中を走り抜け目の前に「高社山」が広がると信州中野駅に到着します。信州中野を発車するとガクンと速度が落ちます。ここからは厳しい上り勾配がつづいていきます。展望席に座っていると、上り勾配のきつさがよくわかります。途中で40‰という厳しい上りがあり、それを上りきると終点の「湯田中」です。駅舎左手には「楓の湯」という温泉があり、ここへ入浴するための入場券と長野電鉄乗車券がセットになったキップが販売されており、多くの人がそのキップを持っているのが見えます。
 もっと乗っていたいのですが、湯田中駅から先は線路が続いていませんので、残念ですがここで下車することとしました。





②湯田中(1448)→長野(1534) 14A 特急[ゆけむり] 長野電鉄 1000系4連【S2編成】
(←長野④ デハ1032+モハ1022+モハ1012+<span style=color:#090>デハ1002</span> ①湯田中→)
 復路は展望席ではなくハイデッカー部に座って長野を目指します。ハイデッカー部のシートはクッションもたっぷりと厚みがあり、とてもすわり心地が良いシートだと思います。若干シートピッチが少ないかな?と思える部分もありますが、1時間にも満たない乗車ならこれで十分だと思います。また、シートの後にはテーブルが付いていますが、シートを向かい合わせにしたときにもテーブルがないと不便だということから、折りたたみの大型テーブルがついているのも好感がもてます。
 また、このシートには足を置けるバーが設置されています。フットレストというほど大げさなものではありませんが、これがなかなか良く足の疲れを軽減してくれます。
 そして小田急・10000形の一番すばらしいのは、展望席ではなくても、少し高い位置から大きな窓を通じて景色を見ることができるということに尽きるのではないかと思います。
 往路は込み合いましたので、復路も混むのかと思いましたが、途中駅の信州中野、小布施、須坂でも乗車する人は少なく、おかげでシートを向かい合わせにして、ゆったりと乗車して帰ってきました。

 

 自分が住む市にこんなにすばらしい電車が走っていることを、ただ単に誇りに感じます。いつまでも良いコンディションで走ってもらうためには、私たち沿線の住人がもっと利用しなくてはいけないと思います。
 これからは定期的に長野電鉄に乗車して、他の列車のすばらしさ、沿線の模様などをここから発進していきたいと思っています。


【乗車日:平成21年3月7日(土)】鉄道コム